就労移行支援のパソコン訓練|学べることと進み方(横浜市都筑区)

こんにちは、ステップキャリアです。
横浜市の都筑区で就労移行の事業所を運営しています。
今回の記事では「就労移行支援のパソコン訓練」について解説しますね。



「働くならパソコンを使えたほうがいい。でも、ほとんどさわったことがない」——という方に向けた記事です。
求人票に並ぶ「パソコン操作」の文字を見るたびに、自信が小さくなっていく。よく聞く悩みです。
先に、いちばん大事なことをお伝えします。就労移行支援のパソコン訓練は、電源の入れ方や文字の入力といった、ほんとうのゼロから始められます。
今回のコラムでは、学べることの地図と、訓練の進み方、資格やお金の正直なところをまとめました。
パソコンが初めてでも、大丈夫です
「初めてでも、ついていけますか?」への答えは、「大丈夫です」。就労移行支援のパソコン訓練は、経験ゼロの方が来ることを、はじめから想定して作られています。
就労移行支援は、障害や難病のある方が、働く準備を進めるための国の福祉サービスです。パソコンの訓練も、働く準備のひとつです。
厚生労働省の制度の説明でも、働くために必要な知識と能力を高める訓練が、就労移行支援の中身として挙げられています。
だから訓練は、いまの実力を試す場所ではなく、いまの実力から積み上げていく場所です。
学べることの全体は、3つの段階の地図にできます。
下の段が基礎、まん中が事務系、上の段が応用です。下から順に、ひとつずつ積み上げていきます。
地図のぜんぶを終えないと就職できない、という決まりはありません。目指す仕事に合わせて、必要な所まで学ぶ形で大丈夫です。
いまの時点では、自分がどの段階から始まるかだけ分かれば十分です。
基礎の段階は、電源とタイピングから
基礎の段階で身につけるのは、大きく4つです。
電源とマウスの操作は、パソコンの立ち上げから終了まで。毎日くり返すうちに、手が覚えていきます。
マウスは、クリック、ダブルクリック、ドラッグ(おしたまま動かす)の3つが基本です。3つできれば、画面の中を自由に動きまわれます。
文字の入力(タイピング)は、キーボードを見ながらで大丈夫です。ゆっくりでも打てるようになれば、スタートラインに立てます。速さは、あとから自然についてきます。
ローマ字がうろ覚えでも、心配いりません。手もとに表を置いて、見ながら打つところから始められます。
1回の練習は、短くて大丈夫です。タイピングは、1日10分でも指がキーの場所を覚えていきます。
メールの読み書きは、あいさつと返事の型から。仕事のメールには決まった型があるので、覚えてしまえば毎回悩まずにすみます。
練習で覚える、報告メールの型ものせておきます。
| 報告メールの型 | 書き方の例 |
|---|---|
| 件名 | 「きょうの作業のご報告」のように短く |
| 最初のあいさつ | 「おつかれさまです」から始める |
| 本文 | 「入力が5件まで終わりました」と数字で短く |
| むすび | 「よろしくお願いします」で締める |
4つの行を埋めるだけで、報告のメールがひとつ完成します。覚えた型は、就職したあとの職場でも使い続けられます。
ファイルの保存と整理は、作った文書を決まった場所にしまう練習です。地味に見えて、仕事でいちばん頼りにされる力のひとつです。
フォルダ(ファイルをしまう箱)に名前をつけて、あとから迷わず見つけられるようにする練習も、あわせて進めます。
「電源の入れ方を聞くのは、はずかしい」と感じるかもしれません。でも訓練の場では、いちばん最初に教わる、あたりまえの項目です。
事務系の段階は、書類づくりと表計算
事務系の段階では、仕事の書類を作る練習に入ります。中心になるのは、2つのソフトです。
| ソフト | 作れるもの | 仕事での使い方 |
|---|---|---|
| Word(ワード) | 案内文や報告書などの書類 | ひな形をもとに、読みやすく整える |
| Excel(エクセル) | 一覧表や集計表 | 数字を打ちこんで、表にまとめる |
Word(ワード)は、文字の大きさや配置を整えて、書類を作るソフトです。文字を大きくする、まん中にそろえる、太くする——小さな操作の組み合わせで、書類は見ちがえるほど読みやすくなります。
Excel(エクセル)は、はじめから使いこなす必要はありません。決まった表に、数字を打ちこめるところからで十分です。
たし算やかけ算は、Excelが自動で計算してくれます。計算が苦手でも、心配いりません。
練習は、実際の仕事に近い課題で進みます。案内文をひな形から作る、名簿に数字を打ちこむ、といった形です。
事業所によっては、発表用の資料を作るソフト(PowerPoint・パワーポイント)にふれられる所もあります。
2つのソフトにふれた経験があるだけでも、求人票の「基本的なパソコン操作」という言葉が、こわくなくなっていきます。
パソコンを使う仕事の代表である、事務の仕事の中身は、別のコラムでくわしくまとめています。
関連記事: 障害者雇用の事務職とは|仕事の中身と目指し方(横浜市都筑区)
応用の段階は、事業所によって幅があります
応用の段階には、デザイン、プログラミング、AIの活用といった学びがあります。
デザインは、チラシやバナーのような、目で見て伝えるものを作る学びです。
プログラミングは、ホームページやアプリの中身を、決まりごとにそって組み立てていく学びです。
AIの活用は、文章の下書きや調べものを手伝ってくれる道具を、仕事で使いこなすための学びです。
応用の中身は、事業所によってちがいます。デザインに力を入れる所もあれば、動画の編集を学べる所もあります。
ステップキャリアは、AI・プログラミングなどのデジタルスキルに力を入れています。カリキュラムのくわしい中身は、見学のときに実際にたしかめられます。
ひとつ、正直にお伝えします。応用まで学んでも、エンジニアとしての就職を約束できるわけではありません。
就職先は、求人の状況とご本人の希望で決まっていくためです。ただ、基礎と事務系で積み上げた力は、目指す仕事が変わっても無駄になりません。
応用に進むかどうかは、あとから決められます。基礎や事務系を進めるうちに、目指す仕事が見えてくることも多いためです。
応用のスキルは、在宅(家で働く形)の仕事と相性のよい分野です。パソコンの中で完結する仕事が多いためです。
関連記事: 障害者雇用の在宅ワーク|家で働く形と準備のしかた(横浜市都筑区)
いまの自分は、どこから始まる?
自分のスタート地点は、4つのチェックでたしかめられます。
あてはまる段が、スタート地点の目安です。複数あてはまるときは、いちばん上の段からで大丈夫です。
「ぜんぶ、あてはまらない気がする」という方も、基礎の入り口から始める方は、めずらしくありません。
チェックの結果に自信がなくても、心配いりません。実際のスタート地点は、見学や面談のときに、スタッフと一緒に決められます。
あてはまった段を、見学のときにひとこと伝えるだけでも、話を具体的に始められます。
進み方は、一人ひとりの個別ペースです
パソコン訓練の進み方は、学校の一斉授業とはちがいます。一人ひとりが、自分の課題を自分の速さで進める形が中心です。
進み方のもとになるのは、一人ひとりの計画(個別支援計画)です。目標も教材も、計画に合わせて決まっていきます。
はじめの面談で、いまの様子を伝えます。「経験はゼロです」で、まったく問題ありません。
練習が始まったら、分からない所はすぐに聞けます。手が止まったまま、ひとりで悩み続けなくてすみます。
進む速さは一人ひとり別々で、まわりとくらべる必要はありません。となりの人と教材がちがうのは、あたりまえの光景です。
体調に波がある時期は、進みをゆるめることもできます。速く進むことより、続けられることが大事にされています。
パソコンだけを学ぶ場所でもありません。ビジネスマナーやコミュニケーションの学びと、組み合わせながら進んでいきます。
就労移行支援という仕組みの全体は、別のコラムでまとめています。
関連記事: 就労移行支援とは?対象・費用・利用までの流れをやさしく解説
資格と、訓練中のお金の話
パソコンの資格では、MOS(マイクロソフト オフィス スペシャリスト)が代表的です。WordやExcelを使えることの証明になる資格です。
MOSには、WordやExcelといった科目ごとの試験があります。ふだんの訓練の延長で、少しずつ準備を進められる資格です。
資格がないと就職できない、という決まりはありません。ただ、経験の少なさをおぎなう材料として、挑戦する方もいます。
目指すかどうか迷ったときは、目指す仕事の求人票を先に見る方法があります。求人票に資格の名前がなければ、急いで取る必要はありません。
資格の取得を目指す学習は、サポートを受けながら進められます。合格を約束するものではありませんが、目指すかどうかから、一緒に考えられます。
お金の話も、正直にお伝えします。訓練中は原則、賃金は発生しません。
就労移行支援は「働くための準備」の期間で、働いてお金を受け取る場所ではないためです。
利用中のアルバイトも、原則できない決まりです。事情があるときは、自治体の判断になります。
利用料は、前年の世帯所得に応じて負担の上限が決まる仕組みです。多くの方は自己負担0円で利用されています(前年の世帯所得によります)。
利用できる期間は原則2年です(市区町村の審査により延長が認められる場合があります)。準備の期間と生活の見通しは、相談の中で一緒に整理できます。
よくある質問
ゆっくりでも打てるなら、もうスタートラインに立てています。速さは、あとから自然についてきます。
ステップキャリアの設備の様子は、見学のときに実際に見ていただけます。家での練習が必要になったときの進め方も、面談で相談できます。
覚える速さよりも、毎日少しずつふれる回数のほうが、力になっていきます。
ただ、目指し方を整理して、必要な準備を一緒に進めることはできます。積み上げた力は、事務などほかの仕事でも生きます。
体調の波がある前提で、通い方を組み立てられます。通う日数は、少しずつ増やしていけますよ。
いつでもご相談お待ちしています
パソコンの訓練は、いまの実力を試す場所ではなく、いまの実力から積み上げる場所です。
電源の入れ方から始めても、遅すぎることはありません。
自分はどの段階から始まるのか、学ぶ中身はどうなっているのか?
など、気になることは見学のときに一緒に確かめられます。ブルーライン・グリーンライン「センター南駅」すぐですので、気軽にお越しください。
※今回の内容は、2026年7月時点の制度にもとづいています。
参考: 厚生労働省「就労移行支援」

福祉の現場で7年、働くことを目指す方の支援に携わってきました。ステップキャリアではサービス管理責任者として、お一人ずつの体調やペースをうかがいながら個別支援計画をつくり、次の一歩を一緒に決めていくことがやりがいです。神奈川県・横須賀出身です。
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