障害年金は働くと止まる?|働きながら受け取る仕組み(横浜市都筑区)

こんにちは、ステップキャリアです。
横浜市の都筑区で就労移行の事業所を運営しています。
今回の記事では「障害年金と働くこと」について解説しますね。



障害年金を受けながら就労移行支援に通っていて、就職が近づいてきた。「働きはじめたら年金が止まるのでは」と不安になっている——という方に向けた記事です。
ネットで調べると「働くと止まる」「フルタイムはむり」といった言葉がならんでいて、かえって不安がふくらむこともあります。
先に、いちばん大事なことをお伝えします。医師向けに出されている診断書の書き方の案内には、働いているという事実だけで、障害年金の支給が決まることはないと書かれています。
決めるのは年金の審査側で、決められた考え方にそって、ひとりひとりの状態を見ます。
今回のコラムでは、精神の障害の「等級判定ガイドライン」にある働き方の見方、20歳より前に初診日がある年金だけにある所得の決まり、更新の時期と窓口をまとめました。
「働いたら止まる」という決まりはありません
障害年金は、障害の状態が、法律で決まった等級にあたるかどうかで決まるものです。受けるための条件に「働いていないこと」は入っていません。
精神の障害では、主治医が書く診断書をもとに、日本年金機構の認定医が等級を決めます。よりどころになるのが、国がつくった「等級判定ガイドライン」で、2016年9月から使われています。
ガイドラインでは、まず診断書にある「日常生活能力の程度」と「判定」という2つの評価から、等級の目安を出します。
目安のあとに、病状、療養の様子、暮らしの環境、働き方などの5つの分野を見て、認定医がまとめて決めます。働いているかどうかは、5つのうちの1つの材料です。
診断書には「現症時の就労状況」という欄があって、週に何日働くか、仕事のなかみ、職場でのサポートややりとりの様子を書くようになっています。
通いながら障害年金の手続きをする段取りは、別のコラムでまとめています。
関連記事: 障害年金と就労移行支援|通いながらの手続きの段取り(横浜市都筑区)
ガイドラインは、仕事のなかみと職場の配慮まで見る決まりです
ガイドラインの「就労状況」のところには、働いていることをもって、すぐに日常生活の力が上がったとはとらえない、と書かれています。
仕事の種類やなかみ、職場で受けているサポート、まわりの人とのやりとりをよく確かめたうえで決める、という考え方です。つまり、働いているからもう困っていないはず、とは見ない、ということです。
いつもサポートがある中で安定して働けているときでも、サポートがなかったら予想される状態を考える、とも書かれています。
働き方ごとの見方を、表にまとめます。
| 働き方 | ガイドラインの見方 |
|---|---|
| 就労継続支援A型・B型、障害者雇用 | しっかりしたサポートを受けている働き方として、1級または2級の可能性を検討する |
| 一般企業(障害者雇用ではない) | 月収だけでなく、実際の働き方をまとめて見る。同じくらいのサポートがあれば2級の可能性を考える |
| 1年を超えて働いている | 働く日数や、続けるためのサポートをふまえ、安定していなければ考える |
| 休みや早退、遅刻が多い | 精神の障害で出勤にひびいているかを考える |
どれも、働いているかどうかではなく、どんなふうに働いているかを見る、という考え方です。
就労継続支援や障害者雇用の制度で働くときは1級または2級の可能性を検討し、就労移行支援も同じとする、とガイドラインに書かれています。通っていることだけで不利になる決まりではありません。
ただ、ガイドラインは「可能性を検討する」という書き方で、例にあてはまれば等級が決まるという意味ではない、とも書いています。最後に決めるのは認定医です。
短い時間から始める働き方や、給料の目安は、別のコラムでまとめています。
関連記事: 週20時間未満から働く|短い時間で始める障害者雇用(横浜市都筑区)
関連記事: 障害者雇用の給料の目安|国の調査の数字と生活の組み立て方(横浜市都筑区)
所得で止まるのは、20歳より前に初診日がある年金だけです
初診日が20歳より前にある年金は、正式には「20歳前の傷病による障害基礎年金」といいます。年金に入る前のけがや病気にも出る年金なので、ほかとちがう決まりがついています。
初診日が20歳のあとなら、障害基礎年金にも障害厚生年金にも、所得による制限はありません。
20歳前の年金では、前の年の所得が4,794,000円を超えると全額が、3,761,000円を超えると2分の1が止まります。養っている家族がいるときは、1人につき38万円が基準の額に足されます。
毎年、前の年の所得をもとに、10月分から次の年の9月分までが決まります。所得は、給料の額面(年収)とはちがう数字です。
更新は誕生月です。診断書に、いまの働き方が入ります
障害年金には、決められた年に「障害状態確認届(診断書)」を出して、いまの状態を確かめてもらう更新の仕組みがあります。
届は、誕生月の3か月前の月の終わりに届きます。主治医に診断書を書いてもらって、誕生月の終わりまでに着くように出します。
働きはじめたあとの更新では、診断書の働き方の欄に、いまの様子が入ります。職場のサポートや配慮、会社を休んでいたころのことは、本人や家族からの聞きとりをもとに書かれますので、主治医に働き方をありのまま伝えておくと、審査に届きやすくなります。
出すのが遅れたり、書きもれがあったりすると、年金の支払いがいったん止まることがあります。
審査の結果、等級が変わったり、止まったりすることはあります。
ただ、止まったあとも、65歳になるまでに状態がふたたび重くなったときは、診断書をつけて「支給停止事由消滅届」を出す仕組みがあります。止まったら終わり、というつくりにはなっていません。
初診日が20歳前の方の障害基礎年金は、都筑区役所(茅ケ崎中央32-1)2階の4番窓口で相談でき、更新の届も区役所で出せます。障害厚生年金のほうは、港北年金事務所(港北区)が都筑区の受けもちです。
就職したあとに職場の配慮をまとめて伝えるときは、就労定着支援がいっしょに関わる形もあります。
関連記事: 就労定着支援とは|就職したあとも続く支援の仕組み(横浜市都筑区)
よくある質問
20歳より前に初診日がある年金だけは、前の年の所得で決まる仕組みがあります。
ただ、あてはまれば等級が決まるという意味ではなく、最後に決めるのは認定医です。働き方をありのまま診断書に書いてもらうことが、いまできる準備です。
通っていることだけで不利になる決まりではありません。訓練のあいだに賃金は出ませんので、所得にもなりません。
70歳以上の家族は48万円、16歳から22歳の家族は63万円になる決まりです。自分のときの額は、区役所や年金事務所で確かめられます。
職場のサポートや、会社を休んでいたころのことを書く欄もありますので、働いていることとあわせてサポートのなかみも主治医に伝えておくと、審査に届きます。
いつでもご相談お待ちしています
働き方まで見る決まりだと知っていても、更新のたびに不安になる方はいます。
考え方を知っておくと、主治医や窓口に話すことが見えてきます。
自分の働き方は、ガイドラインのどこにあたるのか。更新に向けて、職場の配慮をどうメモしておけばいいのか?
など、気になることは見学のときに一緒に確かめられます。ブルーライン・グリーンライン「センター南駅」すぐですので、気軽にお越しください。
※今回の内容は、2026年9月時点の制度にもとづいています。
参考: 日本年金機構「精神の障害に係る等級判定ガイドライン」等
参考: 日本年金機構「20歳前の傷病による障害基礎年金にかかる支給制限等」
参考: 日本年金機構「障害状態確認届(診断書)が届いたとき」

福祉の現場で7年、働くことを目指す方の支援に携わってきました。ステップキャリアではサービス管理責任者として、お一人ずつの体調やペースをうかがいながら個別支援計画をつくり、次の一歩を一緒に決めていくことがやりがいです。神奈川県・横須賀出身です。
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