適応障害と障害者雇用|手帳は取れる?使える仕組みの整理(横浜市都筑区)

こんにちは、ステップキャリアです。
横浜市の都筑区で就労移行の事業所を運営しています。
今回の記事では「適応障害と障害者雇用」について解説しますね。



適応障害と診断されて、障害者雇用という働き方を調べてみたら、「手帳がいる」と書いてあった。適応障害で手帳は取れるのか、取れないならあきらめるしかないのか——という方に向けた記事です。
インターネットには「適応障害は手帳の対象外」という説明も多く、読むほどに道がせまく感じられるかもしれません。
先に、いちばん大事なことをお伝えします。国の決まりでは、手帳の対象に「ストレス関連障害」がふくまれていて、適応障害が病名で外されているわけではありません。取れるかどうかは、初診からどれくらいたったかと、暮らしのしづらさのようすを見て、審査で決まります。
そして、手帳が取れるかどうかと、働く準備を始められるかどうかは、別の話です。
今回のコラムでは、障害者雇用で手帳を聞かれるわけ、適応障害と手帳のつながり、手帳がないときに使える仕組み、伝えて働くかどうかの選び方をまとめました。
障害者雇用の求人で手帳を聞かれるのには、わけがあります
障害者雇用は、会社が法律で決められた割合で、障害のある方を雇う仕組みです。
法律(障害者雇用促進法)では、こころの病気のある方を「障害者雇用」として数えられるのは、手帳(精神障害者保健福祉手帳)を持っている方にかぎる、と決められています。
だから、障害者雇用の求人では、申しこむときに手帳があるかを聞かれる形が多くなっています。会社が「障害者雇用として雇った」と数えるために、手帳がいるからです。
手帳を求められるのは、数え方の決まりによるもので、病名で線を引いているわけではありません。
一般雇用と障害者雇用は、入り口が2つある、というだけの関係です。手帳がないときも、一般の入り口から、配慮をお願いして働く道が残っています。
関連記事: 障害者雇用と一般雇用のちがい|どちらで働くかの考え方(横浜市都筑区)
適応障害は、手帳の対象から外れていません
適応障害は、環境の変化によるストレスが、自分のなじむ力を越えたときに出る、気持ちや行動の面の不調といわれています。厚生労働省の「こころの耳」では、うつ病などほかの病気の診断がつくところまではいっていない状態、と書かれています。
手帳の対象になるのは、こころの病気があって、長いあいだ暮らしや社会生活にしづらさがある方です。横浜市の案内でも、病名で区切る書き方はされていません。
厚生労働省の決まりでは、こころの病気を8つに分けて、手帳の等級を決めます。8つめの「その他の精神疾患」には、ストレス関連障害などがふくまれる、と書かれています。
適応障害は、国の統計で使われている病気の分け方(ICD-10)でも、ストレス関連障害の仲間に入っています。
ただ、手帳には「初診から6か月以上たっていること」という条件があります。適応障害は、環境をととのえることや環境に慣れることが回復に関わるといわれていて、短いあいだで落ちついたときは、「長いあいだの制約」という手帳の条件にあたりにくい面があります。
反対に、6か月をこえて不調が続き、暮らしや仕事にしづらさが残っているときは、審査で対象になることがあります。判定は「病気のようす」と「暮らしのしづらさ」の2つの面をあわせて見る決まりで、病名だけで決まるわけではありません。
通院を続けるうちに、病名がうつ病などに変わることもあります。変わったときは、いまの病名で申しこむ形です。どちらの病名でも、手帳を考えていることを主治医に話してみるところから始められます。
都筑区にお住まいなら、都筑区役所(茅ケ崎中央32-1)2階の高齢・障害支援課が窓口で、郵送でも申しこめます(オンラインは一部の申請だけ)。手帳が届くまでは2か月ほど、使える期間は2年です。
暮らしのしづらさを8つの欄で見る仕組みと、横浜市での申しこみの流れは、別のコラムでくわしくまとめています。
関連記事: 発達障害のグレーゾーンで手帳は取れる?|診断と手帳の関係(横浜市都筑区)
手帳がなくても、働く準備を始められる仕組みがあります
手帳と、就労移行支援を使うときにいる受給者証は、別のものです。受給者証は、お住まいの市区町村が「働く準備の手助けがいるか」を見て決めます。
就労移行支援は、手帳がなくても、主治医の意見書などで使える場合があります。決めるのは市区町村ですが、「適応障害で手帳がないから」だけで入り口がしまる仕組みではありません。
手帳があるときとないときで、変わることと変わらないことを表にすると、こう見えます。
| 手帳がある | 手帳がない | |
|---|---|---|
| 障害者雇用の求人への応募 | できる | 原則むずかしい(会社が数えられないため) |
| 就労移行支援 | 受給者証の申しこみで使えることがある | 医師の意見書などで使えることがある |
| 一般雇用で配慮を伝えて働く | できる | できる |
| 税の控除や横浜市の福祉パスなど | 使える | 原則使えない |
どちらの列にいても、働く準備は、いまから始められます。就労移行支援に通っているあいだに初診から6か月がたち、手帳を申しこむかどうかを考える、という順番もあります。
通い始めるときに、手帳のことを決めておかなくて大丈夫です。
取るときも、取らないときも、訓練は同じように進められます。手続きに使う主治医の意見書は、事業所がいっしょに段取りを考えられます。
適応障害と診断されたあとの、続ける・休む・環境を変える・準備する、という4つの道は、別のコラムでまとめています。
関連記事: 適応障害と診断されたら|無理なく働きつづける方法(横浜市都筑区)
伝えて働くかどうかは、手帳があるかないかだけで決まりません
病気のことを会社に伝えて働くことをオープン、伝えずに働くことをクローズと呼びます。手帳があるかないかと、伝えるか伝えないかは、別の話です。
手帳がなくても、一般雇用の入り口から、体調や配慮してほしいことを伝えて働く道は選べます。反対に、手帳を持っていても、自分から見せないかぎり会社に知られることはなく、クローズで働く形も選べます。
手帳がなくて伝えて働くなら、通院の日や仕事の量について、配慮をお願いする形です。
適応障害は、環境をととのえることが回復に関わるとされる不調です。同じ環境にもどらないための配慮をお願いしやすいのは、伝えて働く形です。
いま休職している方は、同じ会社にもどる道と、新しい場所で働く道のどちらでも、配慮をお願いする形を考えられます。もどるまでの進み方は、別のコラムでまとめています。
関連記事: 適応障害から仕事に戻るとき|復帰までの進み方(横浜市都筑区)
見学のときは、「適応障害と言われた」「手帳は取っていない」の一言から、ありのまま話していただければ十分です。
よくある質問
まず主治医に「手帳を考えている」と伝えて、診断書を書けそうかを聞いてみる形で大丈夫です。
初診の日は、診断書を書く主治医が記録をもとに書きますので、病名が変わったこともふくめて主治医に確かめられます。
手帳のことを話すかどうかは、自分で決められます。
取るかどうかも、取ったあとに続けるかどうかも、自分で決められます。
手帳がないときは、主治医の意見書などで受給者証を申しこめることがあります。決めるのは市区町村ですが、段取りは事業所がいっしょに考えられます。
いつでもご相談お待ちしています
適応障害でも手帳を取れるのか、手帳がなければ障害者雇用は無理なのか。
どちらも、いま答えを出さなくて大丈夫です。
手帳を申しこむ時期はいつがいいのか、伝えて働く形は自分に合うのか?
など、気になることは見学のときに一緒に確かめられます。ブルーライン・グリーンライン「センター南駅」すぐですので、気軽にお越しください。
※今回の内容は、2026年9月時点の制度にもとづいています。
参考: 厚生労働省「精神障害者保健福祉手帳の障害等級の判定基準について」

福祉の現場で7年、働くことを目指す方の支援に携わってきました。ステップキャリアではサービス管理責任者として、お一人ずつの体調やペースをうかがいながら個別支援計画をつくり、次の一歩を一緒に決めていくことがやりがいです。神奈川県・横須賀出身です。
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