ナビゲーションブックの書き方|項目ごとの例文(横浜市都筑区)

こんにちは、ステップキャリアです。
横浜市の都筑区で就労移行の事業所を運営しています。
今回の記事では「ナビゲーションブックの書き方」について解説しますね。



ナビゲーションブック(自分の取扱説明書)を作ってみようと思ったものの、白紙を前にすると、なにをどう書けばいいのか分からず手が止まった——という方に向けた記事です。
先に、いちばん大事なことをお伝えします。特性・得意・苦手・自分でしている工夫・お願いしたい配慮・体調のサイン、の6つの項目に短い文を1つずつ書けば、紙1枚で形になります。
今回のコラムでは、6つの項目と書き方の例文、国の作成マニュアルにある項目立て、書く量の目安、就労移行支援でスタッフと一緒に作る流れをまとめました。
書く項目は6つです
ナビゲーションブックに決まった様式はありません。項目を自分で決めてよいぶん、白紙のままでは書き出しにくいので、今回は6つの項目に分けて考えます。
1つめは「特性」です。集中すると周りの声が入りにくい、といった自分の性質を、良い悪いを決めずにありのまま書きます。
2つめは「得意」です。小さなことで十分で、大きな長所を探そうとすると手が止まります。
3つめは「苦手」です。困る場面をひとつにしぼり、全部をならべる欄にはしません。
4つめは「自分でしている工夫」です。いま実際にしていることだけを書き、まだしていない工夫は入れません。
5つめは「お願いしたい配慮」です。会社に頼みたいことを、2〜3つまでにしぼります。
6つめは「体調のサイン」です。いつ、なにが起きると、どうするか、の3つで書きます。
全体像(使いどころ・作り方の4ステップ)は、前のコラムでまとめています。
関連記事: ナビゲーションブックとは|自分の取扱説明書の作り方(横浜市都筑区)
項目ごとの例文です
6つの項目に1つずつ、書き方の例を作りました。実在の方の文章ではなく、あくまで書き方の例ですので、当てはまる言葉に置きかえて使えます。
| 項目 | 書き方の例 | 書くときの目安 |
|---|---|---|
| 特性 | ひとつの作業に集中すると、周りの声が耳に入りにくくなります | 良い悪いを決めずに、ありのまま |
| 得意 | 決まった手順の作業を、同じ品質でくり返すことが得意です | 小さなことで十分 |
| 苦手 | 急な予定の変更があると、切りかえに時間がかかります | 場面をひとつにしぼる |
| 自分でしている工夫 | 朝いちばんに、今日の予定を紙に書き出しています | いましていることだけ |
| お願いしたい配慮 | 変更があるときは、口頭に加えてチャットでもいただけると助かります | 2〜3つまで |
| 体調のサイン | 眠りが浅い日が2日続くと、疲れが出やすくなります。早めに休憩の相談をします | いつ・なにが・どうする |
苦手と工夫と配慮は、ひとつの困りごとを3つの角度から書く形になっています。「急な変更が苦手」だけで終わらず、工夫と配慮まで書くと、読む側は対応を考えやすくなります。
工夫と配慮を分けて見せる書き方として、国の作成マニュアルには、自分の対処に★、配慮のお願いに□の記号をつけて書く例が載っています。
配慮の形まで決まっていないときは、困っている場面だけを書く形で足ります。国の合理的配慮指針には、希望する形を具体的に言うのがむずかしいときは、支障となっている事情を明らかにするだけでよい、と書かれています。
音や光、においなど感覚の苦手を書くときの言い方は、別のコラムでまとめています。
関連記事: 感覚過敏と職場の環境|音・光・においがつらいときの配慮(横浜市都筑区)
配慮のお願いの例文を場面ごとに見たいときは、別のコラムがあります。
関連記事: 配慮事項の書き方|症状・特性別の例文(横浜市都筑区)
国の作成マニュアルには、項目の例があります
ナビゲーションブックは、もともと障害者職業総合センター(国が設けた高齢・障害・求職者雇用支援機構の機関)が、発達障害のある方向けのプログラムの中で作った道具です。2016年3月に、作り方をまとめたマニュアルが出ています。
マニュアルの書式例には、5つの欄があります。今回の6項目とは、次のように対応します。
| 今回の6項目 | マニュアルの書式例の欄 |
|---|---|
| 特性・得意 | 作業面/対人コミュニケーション面の「セールスポイント」 |
| 苦手・自分でしている工夫・お願いしたい配慮 | 作業面/対人コミュニケーション面の「苦手なこと」(苦手・対処の工夫・配慮をまとめて書く欄) |
| 体調のサイン | 体調・疲労面 |
| (考え方のくせ、ストレスになりやすい場面) | 考え方・行動面 |
| (関わっている支援機関など) | 「その他」の欄 |
マニュアルには、考え方として3つが書かれています。本人が主体になって作る、一度作ったら終わりではなく直していく、決まった様式にとらわれない、の3つです。
「記入様式」という決まった枠にとらわれるものではない、と国のマニュアルに書かれています。項目の名前も順番も、自分の書きやすい形に変えてかまいません。
マニュアルの「作り方」は、目的を考える・自分をふり返る・下書きを作る・職場実習で使う・直す・支援者との会議で使う、の6ステップです。
下書きの段階では、自分では思いつかない空らんがあっても大丈夫、とマニュアルに書かれています。空らんは、実習や訓練の中で見つける目標にする形です。
書く量は、紙1枚におさまる分量で十分です
A4の紙1枚を目安にして、1つの項目は1〜2行、お願いしたい配慮は2〜3つまでにすると、読む側の頭に残ります。
冒頭に、1文だけ前書きを置くと読みやすくなります。マニュアルの書式例は、「持てる力を発揮するために自分自身が努力したいこと、会社の方に配慮をお願いしたいことをまとめたもの」という一文から始まっています。
通院があるときは、頻度・曜日・時間を書く例が、マニュアルの体調・疲労面の欄に載っています。休む日が先に分かると、会社も予定を考えやすくなります。
自分の体調のサインがまだ言葉になっていないときは、休みがちな日の前に起きていたことをふり返るところから始められます。
関連記事: 体調の波と出勤|休みがちな自分を責めない働き方(横浜市都筑区)
関連記事: 10月10日は世界メンタルヘルスデー|自分の心の状態を言葉にしてみる日(横浜市都筑区)
渡す時期は、準備に時間がかかる配慮もあるため、面接の日までに余裕をもって伝える形が、国の合理的配慮指針に書かれています。
就労移行支援では、スタッフと一緒に作れます
ふり返りは、ひとりでやると手が止まりやすい作業です。就労移行支援では、訓練の中の出来事が、ふり返りの材料になります。
パソコンの作業で集中が続いた時間や、グループの話し合いで困った場面など、通っている中で起きたことを、スタッフと一緒に6つの項目に1行ずつ入れていきます。
下書きができたら、模擬面接で使ってみます。読んだ相手がどこで首をかしげたかが、直すところの手がかりになります。
ナビゲーションブックは、一度で完成させなくてよく、使ってみて直していく前提の道具です。就職したあとも、職場や仕事の内容に合わせて書きかえていきます。
よくある質問
書くかどうかは、渡す相手と場面で決められます。
就労移行支援では、訓練や実習の中で見つかった小さなことを、あとから書き足していけます。
応募先ごとにどちらにするかは、事業所で一緒に決められます。
渡す相手(面接の担当者・現場の上司・支援者)によって、出す項目を入れかえる形もあります。
書きかけの紙があればお持ちいただけますし、白紙からでもかまいません。
いつでもご相談お待ちしています
6つの項目は、いっぺんにうめなくて大丈夫です。
1行だけの下書きからでも、一緒に書き足していけます。
自分の場合は、どの項目から書き始めればいいのか?
など、気になることは見学のときに一緒に確かめられます。ブルーライン・グリーンライン「センター南駅」すぐですので、気軽にお越しください。
※今回の内容は、2026年9月時点の制度にもとづいています。
参考: 障害者職業総合センター「発達障害者のワークシステム・サポートプログラム ナビゲーションブックの作成と活用」

福祉の現場で7年、働くことを目指す方の支援に携わってきました。ステップキャリアではサービス管理責任者として、お一人ずつの体調やペースをうかがいながら個別支援計画をつくり、次の一歩を一緒に決めていくことがやりがいです。神奈川県・横須賀出身です。
見学・ご相談はこちら→