感覚過敏と職場の環境|音・光・においがつらいときの配慮(横浜市都筑区)

こんにちは、ステップキャリアです。
横浜市の都筑区で就労移行の事業所を運営しています。
今回の記事では「感覚過敏と職場の環境」について解説しますね。



まわりは平気そうなのに、自分だけ電話の音や蛍光灯の光、においがつらい——と感じながら働いている方に向けた記事です。
「がまんが足りないのでは」と自分を責めてしまう声も、よく聞きます。
先に、いちばん大事なことをお伝えします。音・光・においがつらいときに職場の環境を整えてもらうことは、法律で決まった「合理的配慮」の仕組みとして頼めます。
今回のコラムでは、つらさの正体、頼める配慮の具体例、伝え方の順にまとめました。
音や光のつらさは、あなたのせいではありません
感覚過敏は、感覚の刺激が過剰に強く感じられ、苦痛と感じるような状態、と国立障害者リハビリテーションセンターの解説で説明されています。
発達障害のある方に多いといわれていますが、感じ方は一人ひとり違います。同じ「音」でも、電話の呼び出し音がつらい方もいれば、人の話し声がつらい方もいます。
同センターが発達障害のある方に行った調査(2023年発表)では、いちばんつらい感覚の問題として「聴覚(音)」をあげた回答が、415件のうち半数以上(約55%)を占めました。視覚(光)、触覚、嗅覚(におい)は、どれも1割ほどでした。
音がつらいのは、めずらしいことではないと分かります。同時に、光やにおいがいちばんつらいという方も、たしかにいます。
刺激の感じ方は、本人の努力で変えられるものではありません。同センターも、特性に応じた個別の対応が必要だとまとめていて、環境のほうを整える考え方が基本です。
自分がどの刺激に弱いのかを整理するところから、仕事選びを考えるコラムもあります。
関連記事: 発達障害と働き方|自分に合う仕事の見つけ方(横浜市都筑区)
職場で頼める配慮には、具体的な形があります
厚生労働省は、会社が実際に行っている合理的配慮を集めた事例集を公開しています。音と光については事例集に載っている例を、においについては職場で相談されやすい形を見ていきます。
音がつらいときは、静かな場所で作業する、耳栓やヘッドフォンの使用を認める、机の電話を外す、といった例が載っています。
光がつらいときは、蛍光灯を1本少なくする、サングラスの着用を認める、という例があります。視線が気になって集中できない方のために、机のまわりに衝立を置いた例も多く載っています。
においがつらいときは、においの元から離れた席にする、マスクをつける、休憩を別の場所でとる、といった形があります。
| つらい刺激 | 頼める配慮の例 |
|---|---|
| 音 | 静かな席や部屋で作業する、耳栓・イヤーマフ・ヘッドホン、机の電話を外す |
| 光 | 蛍光灯を1本減らす、サングラスや帽子、窓から離れた席 |
| におい | においの元から離れた席、マスク、休憩を別の場所でとる |
| 視線 | 机のまわりに衝立を置く |
イヤーマフ(耳をおおう防音の道具)や耳栓、雑音を打ち消すヘッドホンは、感覚の問題のセルフケアとして広く使われているといわれています。
耳栓やヘッドフォンの使用を認めた例は、会社の規模や業種によらず多くある、と厚生労働省の事例集にまとめられています。
事例集には、在宅勤務を認めた例も載っています。刺激の多い日だけ家で働く、週に何日かを在宅にする、という組み合わせもあります。
関連記事: 障害者雇用の在宅ワーク|家で働く形と準備のしかた(横浜市都筑区)
配慮は、法律で決まった仕組みです
働く場面での合理的配慮は、障害者雇用促進法という法律で、2016年4月から会社の義務になっています。
さらに2024年4月1日からは、障害者差別解消法の改正で、お店やサービスを提供する民間の事業者にも、合理的配慮の提供が義務になりました。
合理的配慮とは、働くうえでの支障になっている事情をとりのぞくための、必要な対応のことです。力を発揮しやすくするための仕組みとして、法律に書かれています。
決まるまでの流れは、本人が困りごとを伝える、会社と話し合う、試す、見直す、の4つです。
頼んだ配慮が、全部通るとはかぎりません。会社にとって負担が大きすぎる場合は、代わりの形を一緒に探す決まりになっています。
配慮は一度決めたら終わりではなく、様子を見ながら見直していく形が基本です。「まず席を変えてみて、合わなければ次を考える」で大丈夫です。
配慮を仕組みとして頼めるのは、障害を伝えて働く「オープン就労」を選んだときが基本です。伝えるかどうかの考え方は、別のコラムでまとめています。
関連記事: オープン就労とクローズ就労のちがい|自分に合う選び方(横浜市都筑区)
伝え方は「困りごと・工夫・お願い」の3点です
配慮を頼むとき、うまく話す必要はありません。3つの点を短く並べるだけで、会社の側は動きやすくなります。
1つめは、困りごと。「電話の呼び出し音が重なると、頭が真っ白になります」のように、場面と一緒に伝えます。
2つめは、自分でしている工夫。「いまは耳栓を使っています」「休憩は静かな場所でとっています」のように伝えると、まかせて大丈夫な部分も伝わります。
3つめは、お願いしたいこと。「電話から離れた席にしてもらえると助かります」のように、ひとつにしぼって伝えます。
つなげると、たとえば、次のような形になります。
「人の話し声が重なる場所だと、集中が切れやすいです。いまは雑音を打ち消すヘッドホンを使っています。できれば、窓ぎわの端の席にしてもらえると助かります。」
伝える時期は、応募・面接のときでも、働きはじめてからでもかまいません。応募のときは、履歴書の配慮事項の欄や、面接の場で伝える形があります。
働きはじめてから気づいた困りごとは、上司や人事の担当者に相談する形で伝えられます。定期の面談がある職場では、面談の場で話す形もあります。
3点セットを1枚にまとめた「ナビゲーションブック」は、支援員と一緒に作れます。ひとりで言葉にしきれない段階でも大丈夫です。
関連記事: ナビゲーションブックとは|自分の取扱説明書の作り方(横浜市都筑区)
よくある質問
まわりの人へ「仕事に必要な道具です」と説明してもらう形を、会社にお願いすることもできます。
ただ、「電話の音量を下げたい」「端の席がいい」のような相談を、障害名を出さずに受けつける職場もあります。伝えるかどうかは、支援員と一緒に考えられます。
「席を変えるのがむずかしければ、衝立を置く」のように、代わりの案を持っておくと話が進みやすくなります。
配慮の中身は本人と会社が話し合って決めるので、「仕事の量は変えずに、環境だけ整えてほしい」と伝えることもできます。
会社への伝え方は、面接の練習の中でも確かめられます。
いつでもご相談お待ちしています
音や光、においのつらさは、職場の環境のほうを整える形で相談できます。
頼み方が決まっていない段階のままで、話していただけます。
何をどこまで頼んでいいのか、伝えたらどう受けとられるのか?
など、気になることは見学のときに一緒に確かめられます。ブルーライン・グリーンライン「センター南駅」すぐですので、気軽にお越しください。
※今回の内容は、2026年8月時点の制度にもとづいています。
参考: 国立障害者リハビリテーションセンター「発達障害のある人の感覚の問題」

福祉の現場で7年、働くことを目指す方の支援に携わってきました。ステップキャリアではサービス管理責任者として、お一人ずつの体調やペースをうかがいながら個別支援計画をつくり、次の一歩を一緒に決めていくことがやりがいです。神奈川県・横須賀出身です。
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