ADHDと向いている仕事|特性から考える仕事の選び方(横浜市都筑区)

こんにちは、ステップキャリアです。
横浜市の都筑区で就労移行の事業所を運営しています。
今回の記事では「ADHDと向いている仕事」について解説しますね。



「ADHD 向いてる仕事」で検索して、出てきた職種のリストを読むほどに、自分には合わない気がしてきた——という方に向けた記事です。
リストに載っている仕事が合わないと感じても、あなたのせいではありません。
先に、いちばん大事なことをお伝えします。ADHDに向いている職種は、ひとつに決まっていません。特性の強さや出方は人によってちがい、同じ仕事でも、環境しだいで働きやすさが変わります。
今回のコラムでは、特性から考える理由、特性ごとの環境の整理表、国の調査の数字、特性を言葉にする進め方をまとめました。
「向いている職種」は、ひとつに決まらないといわれています
ADHD(注意欠如・多動症)は、注意を続けることや、順序立てて動くことが難しい、待つことが苦手、といった特性が続いている状態だと、国の発達障害ナビポータルで説明されています。
同じ診断があっても、特性の強さや組み合わせにはちがいがあり、毎日を過ごす環境によって、困りごとの現れ方も変わる、とも書かれています。
「ADHDだから◯◯の仕事」と決まるわけではありません。職種名で探して合わない気がするのは、リストのほうが、あなたの特性と環境を見ていないからです。
職種名から探す道は、リストを見て、当てはまる自分を探す形です。合わない職種が並ぶほど、選べる道が減っていくように感じてしまいます。
特性から探す道は、自分の特性を先に言葉にして、「合いやすい環境」に言い換えてから、環境が合う仕事を探す形です。職種は、あとから決まります。
得意なこと・苦手な場面・助けになる環境の3つの窓で自分を整理するやり方は、別のコラムでまとめています。
関連記事: 発達障害と働き方|自分に合う仕事の見つけ方(横浜市都筑区)
3つの特性ごとに、「合いやすい環境」を整理します
国の発達障害情報・支援センターでは、ADHDの特性を「不注意(注意がうつりやすい)」「多動(じっとしているのがつらい)」「衝動(思いつくとすぐ動く)」の3つに分けて説明しています。3つとも強く出る方もいれば、ひとつだけが目立つ方もいます。
特性ごとに、合いやすい環境と、つらくなりやすい環境を表にすると、こう見えます。
| 特性 | 合いやすい環境の例 | つらくなりやすい環境の例 |
|---|---|---|
| 不注意(注意がうつりやすい) | 指示が文字で残る/手順が決まっている/仕事の区切りが短い | 口頭だけの指示/同時にいくつも抱える/長い時間、同じものを見続ける |
| 多動(じっとしているのがつらい) | 体を動かす場面がある/席を立って動ける/日によって変化がある | 長い時間、座ったまま/静かに待つ時間が長い |
| 衝動(思いつくとすぐ動く) | 判断の速さが役に立つ/確かめる役の人が別にいる/決まった手順で確かめる | 大きな金額や契約をひとりで扱う/一度の判断をやり直せない |
表の中身は、あくまで例です。合いやすい環境に当てはまる仕事は、事務にも、接客にも、ものづくりにもあります。
厚生労働省の資料でも、ADHDのある方への職場での配慮の例として、短くはっきりと伝える、気の散りにくい席の工夫、わかりやすいルールを示すこと、があげられています。環境は、会社の側が整えるところも大きいのです。
うっかりミスへの道具と手順の工夫や、AIを道具として使う考え方は、別のコラムでくわしくまとめています。
関連記事: ADHDと仕事のミス|うっかりを減らす工夫と配慮の頼み方(横浜市都筑区)
関連記事: 発達障害とAI活用|仕事の困りごとを道具で軽くする(横浜市都筑区)
実際に働いている職業は、思っているより幅広いです
厚生労働省が5年に1度おこなっている「障害者雇用実態調査」の令和5年度の結果では、5人以上の事業所で働く発達障害のある方は、推計で9万1千人とされています。
職業別に見ると、サービスの職業が27.1%でいちばん多く、次いで事務的職業が22.7%、運搬・清掃・包装等の職業が12.5%、販売の職業が9.5%と続きます。
数字は、ADHDだけでなく、自閉スペクトラム症などをふくむ発達障害のある方の全体です。ただ、「ADHDに事務は向かない」と言われがちな中で、事務的職業で働いている方が22.7%と、2番目に多いことは、覚えておいてよい数字です。
同じ調査で、発達障害のある方に配慮していると答えた事業所のうち、61.2%が「休みを取りやすくする、勤務中の休憩を認めるなど、休養への配慮」を、50.9%が「短い時間の勤務など、勤務時間の配慮」をあげています。
週の労働時間も、20時間以上30時間未満の方が30.0%と、フルタイムだけではない働き方が数字に出ています。
特性を言葉にしてから探すと、選びやすくなります
順番は、4つの段階に分けられます。
1つめは、困りやすい場面を書き出すこと。「口頭で指示を受けるとき」「長い会議のとき」のように、仕事の名前ではなく、場面で書きます。
2つめは、場面を「合いやすい環境」に言い換えること。「口頭だけの指示で聞きもらす」は、「指示が文字で残る環境が合う」に変わります。
3つめは、環境が合う仕事を探すこと。求人票に書かれた仕事の中身や職場の様子を、環境の条件でながめていきます。
4つめは、ためしてみること。訓練や職場実習の中で、合うと思った環境がほんとうに合うかを確かめます。
書き出した中身は、「困りごと・対処・お願い」の3点セットにまとめると、面接や職場への伝え方の材料にもなります。
関連記事: ナビゲーションブックとは|自分の取扱説明書の作り方(横浜市都筑区)
いままでの仕事が続かなかった経験も、「合わなかった環境」の手がかりとして使えます。
関連記事: 仕事が続かないのはなぜ?|辞めたくなる背景と次の考え方(横浜市都筑区)
就労移行支援では、通いながら、どの場面で注意がうつりやすいか、どんな手順なら進めやすいかを、訓練の中でいっしょに確かめていきます。
特性の整理は、ひとりで仕上げてから来なくて大丈夫です。通いながら、いっしょに進められます。
よくある質問
指示が文字で残る、手順が決まっている、といった環境がそろうかどうかで、同じ事務でも働きやすさは変わります。
場面を書き出していくと、あとから「不注意が強めかもしれない」のように見えてくることもあります。医学的なことは、主治医にたずねられます。
伝えずに自分の工夫で働く道(クローズ就労)もあります。どちらが合うかは、訓練の中でいっしょに考えられます。
申しこみや受給者証の手続きは、事業所がいっしょに進められます。手帳がない段階からの見学で大丈夫です。
見学は無料で、60分ほどです。いままでの仕事で困った場面を、思い出せる範囲で話していただければ十分です。
いつでもご相談お待ちしています
向いている職種か、合いやすい環境か。
職種を先に決めなくても、仕事探しは進められます。
自分の特性は、3つのうちどれが強く出ていて、どんな環境なら力を出しやすいのか?
など、気になることは見学のときに一緒に確かめられます。ブルーライン・グリーンライン「センター南駅」すぐですので、気軽にお越しください。
※今回の内容は、2026年9月時点の制度にもとづいています。
参考: 厚生労働省「令和5年度障害者雇用実態調査 調査の概要・調査結果の概要」(PDF)

福祉の現場で7年、働くことを目指す方の支援に携わってきました。ステップキャリアではサービス管理責任者として、お一人ずつの体調やペースをうかがいながら個別支援計画をつくり、次の一歩を一緒に決めていくことがやりがいです。神奈川県・横須賀出身です。
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