ADHDと仕事のミス|うっかりを減らす工夫と配慮の頼み方(横浜市都筑区)

こんにちは、ステップキャリアです。
横浜市の都筑区で就労移行の事業所を運営しています。
今回の記事では「ADHDと仕事のミス」について解説しますね。



「気をつけます」と何度も言ってきたのに、同じミスがまた出てしまう——という方に向けた記事です。
忘れ物、聞きもらし、締切の見落とし。まわりからは小さなことに見えても、本人にとっては、毎日つみ重なっていく重さがあります。
先に、いちばん大事なことをお伝えします。うっかりミスは、気をつける量ではなく、道具と手順で減らせる場面が多くあります。
今回のコラムでは、ミスが出やすい場面の棚おろし、道具と手順の工夫、職場への配慮の頼み方をまとめました。
うっかりミスは、気合いの問題ではないといわれています
ADHD(注意欠如・多動症)の特性のひとつとして「注意力散漫」があり、うっかりして同じ間違いをくり返すことがある、と国の発達障害情報・支援センターは説明しています。
大人になってからは、仕事のミスが多い、電話の折り返しや約束を忘れる、計画を立てて動くのが苦手、といった形で出やすいと、国の発達障害ナビポータルでも説明されています。
ただ、特性の出方も、困る場面も、一人ひとりちがいます。「ADHDだから◯◯」と決まるものではありません。
だから、最初にするのは反省ではなく、棚おろしです。どの場面で、どんなミスが出やすいのかを書き出してみます。
受け取るとき(聞きもらし・数字の聞きちがい)、進めるとき(手順の飛ばし・気がうつる)、終わるとき(締切忘れ・提出物の忘れ物)。3つに分けるだけで、見え方が変わります。
場面が見えると、「注意が足りない」ではなく「聞き取りの場面が弱い」のように、対策の打てる形に変わります。
得意・苦手を整理するやり方は、別のコラムでまとめています。
関連記事: 発達障害と働き方|自分に合う仕事の見つけ方(横浜市都筑区)
道具と手順の工夫は、3つで十分です
気をつけるのをやめるわけではありません。気をつける役目を、道具と手順に肩がわりしてもらいます。
| 場面 | 工夫 | 中身の例 |
|---|---|---|
| 受け取るとき | 指示のメモ化 | 聞きながら書き、読み上げて確かめる |
| 進めるとき | チェックリスト | 手順を書き出し、終わった項目にしるしをつける |
| 終わるとき | タイマー・通知 | 締切の前日と当日の朝に、スマホの通知を鳴らす |
1つめは、指示のメモ化。口で言われたことは、聞いた直後がいちばん消えやすい時間です。
聞きながら書いて、「◯日までに、◯件ですね」と読み上げて確かめると、聞きもらしと思いちがいを一度に減らせます。
2つめは、チェックリスト。毎回やる仕事は、手順を紙に書いて、終わった項目にしるしをつけていきます。
頭で覚える量が減るぶん、飛ばしや二度手間が減ります。
3つめは、タイマーと通知。締切は「覚えておくもの」ではなく「鳴らすもの」にします。
前日と当日の朝の2回にしておくと、1回忘れても間に合います。
道具はどれも、スマホやパソコンにはじめから入っている機能で足ります。困りごとと道具の組み合わせは、別のコラムでくわしくまとめています。
関連記事: 発達障害とAI活用|仕事の困りごとを道具で軽くする(横浜市都筑区)
コツは、一度に全部を変えないことです。いちばん困っている場面ひとつに、工夫をひとつ。
合わなければ交代で十分です。
配慮の頼み方は、困りごとを伝えるだけで足ります
障害者雇用では、働きやすくする工夫を会社と一緒に考える決まりがあります(合理的配慮・2016年4月から)。
厚生労働省の合理的配慮指針には、発達障害のある方への配慮の例として、「業務指示やスケジュールを明確にし、指示を一つずつ出す」「作業手順について図などを使ったマニュアルを作る」「業務指導や相談の担当者を決める」があげられています。
指針では、希望する配慮を具体的に言えないときは、困っている事情を伝えるだけで足りる、と決められています。
つまり「口頭の指示だと、聞きもらしが出やすいです」と伝えるところから、話し合いが始まります。配慮の中身は、会社と一緒に決めていく形です。
入社後は、会社の側から「困っていることはないか」を確かめる決まりにもなっています。入社前に言えなかったことを、あとから伝えてもかまいません。
伝えるときは、「困りごと・自分でしている工夫・お願い」の順にすると届きやすくなります。たとえば「口頭の指示は聞きもらしやすいです。メモを取るようにしています。要点をチャットでももらえると確実です」のような形です。
厚生労働省がまとめた合理的配慮指針事例集(第六版)にも、ホワイトボードに当日の予定を貼り出してひとつずつ確かめる、仕事の内容を書いた紙を毎日渡す、といった職場の例が載っています。
希望をうまく言葉にしにくいときは、就労支援機関のスタッフが話し合いの場で補佐する形も、指針の中で認められています。
困りごとと工夫を1冊にまとめておく道具は、別のコラムでまとめています。
関連記事: ナビゲーションブックとは|自分の取扱説明書の作り方(横浜市都筑区)
工夫の練習は、就労移行支援で一緒にできます
工夫は、頭で分かっていても、ひとりで続けるのがむずかしいものです。続かなかった経験がある方も、めずらしくありません。
始め方は2つです。ミスが出る場面が見えているなら道具の工夫から、まだ見えていないなら棚おろしからです。
就労移行支援では、通いながら、メモの取り方やチェックリストを実際の作業の中で試せます。試して、合わなければ変える、をくり返す場所として使えます。
配慮の伝え方の練習も、スタッフと一緒に進められます。診断がまだない段階のご相談も、受けています。
関連記事: 就労移行支援とは?対象・費用・利用までの流れをやさしく解説
よくある質問
どの場面で出やすいかを一緒に書き出すところから始められます。
画面の横に貼る、スマホの通知に入れるなど、見る手間じたいを減らす形を一緒に探せます。
どこまで伝えるかは、自分で決められます。
厚生労働省の指針にも、手順のマニュアル化や指示の出し方の工夫が、配慮の例としてあげられています。
決めるのは市区町村ですので、いまの状況を見学のときにうかがって、一緒に確かめていけます。
いつでもご相談お待ちしています
ミスが減らないつらさは、工夫の形にして相談できます。
棚おろしは、書きかけのメモ1枚からでかまいません。
自分のミスは道具で減るのか、配慮はどう頼めばいいのか?
など、気になることは見学のときに一緒に確かめられます。ブルーライン・グリーンライン「センター南駅」すぐですので、気軽にお越しください。
※今回の内容は、2026年8月時点の制度にもとづいています。
参考: 国立障害者リハビリテーションセンター 発達障害情報・支援センター「各障害の定義」
参考: 発達障害ナビポータル「注意欠如多動症(ADHD)について」

福祉の現場で7年、働くことを目指す方の支援に携わってきました。ステップキャリアではサービス管理責任者として、お一人ずつの体調やペースをうかがいながら個別支援計画をつくり、次の一歩を一緒に決めていくことがやりがいです。神奈川県・横須賀出身です。
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