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就労移行ステップキャリアSTEP CAREER INC.
就活の基礎知識

忘れ物・なくし物が多いとき|職場でできる工夫と配慮の頼み方(横浜市都筑区)

こんにちは、ステップキャリアです。
横浜市の都筑区で就労移行の事業所を運営しています。

今回の記事では「忘れ物・なくし物が多いときの工夫」について解説しますね。

鍵や書類を、毎日のようになくしてしまいます。職場でも「また?」という顔をされて、自分がいやになります…。
忘れ物やなくし物は、気をつける量より、置き場所と持ち物リストの仕組みで減らせる場面が多いんですよ〜。自分でできる工夫と、職場に頼める工夫に分けると、進めやすくなります(^^)
気合いで直すものだと思っていました。分けて考えられるなら、少し楽になりそうです。

鍵や社員証、書類や傘を、気をつけているつもりなのにくり返しなくしてしまい、「自分はだらしない」と責めてしまう——という方に向けた記事です。

先に、いちばん大事なことをお伝えします。忘れ物やなくし物は、気をつける量ではなく、置き場所と持ち物リストの仕組みで減らせる場面が多くあります。

今回のコラムでは、なくし物が起きる流れ、自分でできる3つの工夫、職場に頼める工夫、頼み方の順番をまとめました。

忘れ物・なくし物は、性格ではなく注意の動きで起きるといわれています

国の発達障害ナビポータルは、ADHD(注意欠如・多動症)の特徴の例として、子どもでは大事な物をなくす、手渡すのを忘れる、大人では電話の折り返しや約束を忘れる、といったことをあげています。背景には、脳の働きかたの違いがあるといわれています。

障害者職業総合センターが2010年3月にまとめた報告書でも、ADHDのある受講者に見られた特性のひとつに「物の紛失・置き忘れ」があげられています。

報告書の例は、作業で使った道具を移動した先に置き忘れる、配られたプリントをファイルに綴じずになくす、財布や鍵や書類の置き場所を忘れる、というものです。

物を手近な場所に置く、声をかけられるなどで注意が別のことへ移る、置いた場所が記憶に残らない、探す・なくす、というなくし物が起きる4つの流れと、仕組みを入れる場所を示した図

報告書の支援事例には、興味のあることに注意が向くと、直前にしていたことへ注意が戻らない場合があり、物を置きっぱなしにする、片づけをせずに次の場所へ移る、につながることもあった、と書かれています。

置いた場所が記憶に残る前に、頭が次のことへ動いてしまう流れです。だらしなさや、やる気とは別のところで起きています。

診断があるかないかにかかわらず、流れが見えると、どこに仕組みを入れればいいかも見えてきます。

うっかりミス全体の考え方は、別のコラムでまとめています。

関連記事: ADHDと仕事のミス|うっかりを減らす工夫と配慮の頼み方(横浜市都筑区)

自分でできる工夫は、「置き場所」「持ち物リスト」「予定表」の3つです

覚えておく役目を、自分の頭から、場所と紙とスマホに肩がわりしてもらいます。

置き場所を1か所に決める、持ち物リストを同じページに固定する、予定をスマホで鳴らす、という自分でできる3つの工夫を横にならべた図

工夫 中身 向いている困りごと
置き場所を1つに決める 鍵・社員証・財布は、家でも職場でも決まった1か所に戻す 家の中や机のまわりで、探し物が多い
持ち物リストを固定する 出かける前と帰る前に見る一覧を、メモ帳の同じページに書いておく 傘や書類を置き忘れて帰ってしまう
予定をスマホに入れる 予定と持ち物を、時間になると鳴る形で入れておく 約束や提出の日を忘れてしまう

1つめは、置き場所を1つに決めることです。鍵や社員証は、家では玄関の決まった場所、職場では机の決まった位置に戻す、と決めてしまいます。

置き場所は、使い終わる場所のすぐ近くで、ふたや扉のない見える場所にすると、戻す動きが短くなります。

2つめは、持ち物リストを固定することです。出かける前に見る一覧と、帰る前に見る一覧を、毎回同じメモ帳の同じページに書いておきます。

障害者職業総合センターの報告書には、支援事例のひとつとして、付箋を使ったメモ帳と、同じメモ帳に書いた持ち物リスト、アラームを組み合わせた形が載っています。宿泊棟を出るときに部屋の鍵を預ける、といった毎回同じ動きのミスが減った、とされています。

行動のリストを作るとうっかり忘れが少なくなる、覚えておくことをメモして1日の中で定期的に読み返す、という工夫も報告書にあります。

3つめは、予定をスマホに入れることです。紙の予定表は、予定表ごと置き忘れることがありますが、スマホのカレンダーは、時間になると鳴ってくれます。

「◯日の会議に、資料を持っていく」のように、予定と持ち物をひとつにして入れておくと、持ち物の忘れも減らせます。

困りごとと道具の組み合わせは、別のコラムでまとめています。

関連記事: 発達障害とAI活用|仕事の困りごとを道具で軽くする(横浜市都筑区)

職場に頼める工夫にも、国の資料に例があります

自分の工夫だけで抱えなくても大丈夫です。障害者雇用では、働きやすくする工夫を会社といっしょに考える決まり(合理的配慮)があります。

厚生労働省がまとめた合理的配慮指針事例集(第六版)には、発達障害のある方への職場の例が載っています。朝礼で当日の仕事の中身を確かめ、終礼で進み具合と翌日の予定を確かめる、あいまいな言い方ではなく具体的に指示する、定期的に声をかける、といった例です。

厚生労働省の事例集にある朝礼・終礼での確認や具体的な指示や定期的な声かけと、障害者職業総合センターの報告書にある置き場所をわかりやすくする、マニュアルに書く、声をかけてもらうという、職場に頼める工夫の例を並べたチェックリストの図

障害者職業総合センターの報告書には、受講した方が職場に向けて書いた「自分の取扱説明書」(ナビゲーションブック)の例も載っています。

用具の置き場所を忘れがちなので、場所の特徴を指示のときに教えてほしい、わかりやすい所に置いてほしい、マニュアルにも書いてあると忘れにくい、という頼み方です。

定期的にやることを時間がたつと忘れるので、声をかけてもらえるとありがたい、定期的にチェックしてもらえると安心できる、という頼み方も書かれています。

「声をかけてもらう」「置き場所をわかりやすくしてもらう」といった頼み方が、国の資料に例として載っています。

自分の特性と、あると助かる配慮を1冊にまとめる道具は、別のコラムでまとめています。

関連記事: ナビゲーションブックとは|自分の取扱説明書の作り方(横浜市都筑区)

頼み方は、「困りごと・自分の工夫・お願い」の順で足ります

国の合理的配慮指針では、希望する配慮を具体的に言えないときは、困っている事情を伝えるだけで足りる、と決められています。

伝えるときは、「困りごと・自分でしている工夫・お願い」の順にすると届きやすくなります。

たとえば「書類を置いた場所を忘れやすいです。書類は1か所のトレーにまとめるようにしています。回収の前に一声かけてもらえると確実です」のような形です。

自分の工夫から始めるなら置き場所と持ち物リストを試してから職場に伝える道、職場に伝えることから始めるなら困りごとと工夫とお願いの順で会社と話し合う道、という始め方の分かれ道を示した図

自分の工夫から始めるか、職場に伝えることから始めるか、順番の決まりはありません。工夫を先に試しておくと、頼むときに「置き場所は自分で決めています」と言えて、お願いが具体的になります。

合理的配慮の話し合いの流れや、会社との決め方は、別のコラムでまとめています。

関連記事: 職場の合理的配慮とは|頼み方の例と会社との決め方(横浜市都筑区)

就労移行支援では、置き場所の決め方や持ち物リストを、毎日の通所の中で試せます。合わなければ別の形に変える、を、スタッフといっしょにくり返せます。

なくし物が起きにくい仕事の選び方や、自分の特性に合う働き方を考えるところから、相談を始める形もあります。

関連記事: ADHDと向いている仕事|特性から考える仕事の選び方(横浜市都筑区)

よくある質問

Q
診断はありません。忘れ物が多いだけでも、相談できますか?
A
相談できます。診断がない段階のご相談も受けています。
就労移行支援を使うときは市区町村の決定がいり、手帳がない場合も主治医の意見書などで使える場合があります。決めるのは市区町村ですので、いまの段階のまま相談できます。
Q
職場に配慮を頼むと、評価が下がりませんか?
A
国の合理的配慮指針では、配慮について相談したことを理由に、解雇などの不利な扱いをしてはいけない、とされています。会社が決まりとして定めて、働く人に知らせる形です。
頼み方や伝える範囲は、見学のときにいっしょに考えられます。
Q
職場に病気のことを伝えていません。工夫は使えますか?
A
置き場所を1つに決める、持ち物リストを固定する、予定をスマホに入れる、の3つは、伝えていなくても使えます。
合理的配慮の仕組みは、会社に伝えたうえで話し合う形ですので、伝える範囲をどう決めるかも、あわせて相談できます。
Q
会社の備品をなくすのがこわくて、仕事に集中できません。
A
会社の物は「持ち歩かず、使ったら決まった場所に戻す」と決めるところからで大丈夫です。
持ち出しがいる仕事では、持ち出しと返却の2つを持ち物リストに入れておくと、戻し忘れの場面が減ります。
Q
ステップキャリアでは、忘れ物の工夫をいっしょに考えてもらえますか?
A
いっしょに考えられます。通いながら、持ち物リストや置き場所の決め方を実際に試し、合わなければ変えていきます。
職場への頼み方の練習や、ナビゲーションブックにまとめる作業も、スタッフと進められます。

いつでもご相談お待ちしています

忘れ物やなくし物が続くと、自分を責める気持ちが先に出てしまいます。
気をつける量ではなく、仕組みの側を変えるところから、いっしょに考えられます。

自分の工夫と職場への頼み方を、どう分ければいいのか?

など、気になることは見学のときに一緒に確かめられます。ブルーライン・グリーンライン「センター南駅」すぐですので、気軽にお越しください。


※今回の内容は、2026年9月時点の制度にもとづいています。

参考: 障害者職業総合センター「発達障害者のワークシステム・サポートプログラムとその支援事例(2)~注意欠陥多動性障害を有する者への支援~」

参考: 厚生労働省「合理的配慮指針事例集【第六版】」(PDF)

参考: 発達障害ナビポータル「注意欠如多動症(ADHD)について」

この記事の監修者
サービス管理責任者 高木
高木
サービス管理責任者
福祉歴7年

福祉の現場で7年、働くことを目指す方の支援に携わってきました。ステップキャリアではサービス管理責任者として、お一人ずつの体調やペースをうかがいながら個別支援計画をつくり、次の一歩を一緒に決めていくことがやりがいです。神奈川県・横須賀出身です。

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