先延ばしぐせと仕事|取りかかれないときの工夫(横浜市都筑区)

こんにちは、ステップキャリアです。
横浜市の都筑区で就労移行の事業所を運営しています。
今回の記事では「先延ばしぐせと仕事の工夫」について解説しますね。



やらなければいけない仕事があるのに、なかなか手がつけられない。気づいたら締切の前の日で、毎回あわてて仕上げている——という方に向けた記事です。
先延ばしがくり返されると、「自分は意志が弱い」「なまけている」と、自分を責めたくなります。
先に、いちばん大事なことをお伝えします。国の支援機関の資料では、取りかかれないことは「始める力」の困りごととして整理され、最初の一歩を小さくする工夫が載っています。
今回のコラムでは、取りかかれない理由の整理、最初の一歩を小さくする工夫、締切を見えるようにする方法、職場に頼める形をまとめました。
取りかかれないのは、「始める力」の問題といわれています
国の障害者職業総合センターの資料(2022年)では、仕事を進める力のひとつに「開始」があると説明されています。自分から課題や活動を始める力のことです。
開始の力が弱いと、「課題が進まない」「やるべきことを先延ばしにする」という形で困りごとが出る、と資料に書かれています。
大人のADHDでは、計画を立てて動くことが苦手な場合があると、国の発達障害ナビポータルでも説明されています。
ただ、取りかかれない理由はひとつではありません。同じ資料では、次のような理由があげられています。
段取りが組めず、何から手をつけてよいか分からないときや、完成形が見えず、どこまでやれば終わりか分からないときがあります。
やるからには完璧にしなければ、と思って手が止まるときや、すぐに結果が出ないことには動きだしにくい、というときもあります。
理由がちがえば、効く工夫もちがいます。最初は、「自分はどの理由で止まりやすいか」をながめるところからで大丈夫です。
うっかりミスが出やすい場面の棚おろしのやり方は、別のコラムでまとめています。
関連記事: ADHDと仕事のミス|うっかりを減らす工夫と配慮の頼み方(横浜市都筑区)
最初の一歩は、「机に出す」くらい小さくします
取りかかりに苦労する方の場合、最初の工程をできるだけ細かくする、と国の資料に書かれています。例としてあげられているのは、「資料とノート、筆記具を机に出す」です。
「机に出す」を最初の一歩にすると、取りかかるときの気持ちのハードルが低くなる、と資料では説明されています。
書類を作る仕事なら、「書く」ではなく「ファイルを開く」「見出しを1行だけ打つ」が最初の一歩になります。
一歩目のあとは、「5分だけ」と時間を区切って始めるやり方があります。5分たったら止めてもかまいませんし、続けられそうなら続けても大丈夫です。
完成形が見えなくて止まるときは、見本をもらうやり方があります。国の資料の事例では、完成した見本を指示した人に自分からたのみ、項目の立て方を相談することで、先延ばしがへった方が紹介されています。
すぐに結果が出ないことに動きにくいときは、すぐに結果が出ることとセットにするやり方があります。資料には、趣味の買い物のついでに文具店でスケジュール帳を見る、という例が載っています。
道具にたよる手もあります。手順を細かく分けるのが苦手なときは、AIに「最初の3つの工程に分けて」とたのむ使い方があります。
関連記事: 発達障害とAI活用|仕事の困りごとを道具で軽くする(横浜市都筑区)
締切は、ひとりで抱えず、見えるようにします
先延ばしがいちばん出やすいのは、締切がまだ遠い仕事です。国の資料では、優先順位がいちばん低い仕事は「先延ばししやすく忘れやすい」ため、意識してとり組む仕事にする、と書かれています。
順番の決め方は、「締切が近いかどうか」を軸にする形が、資料では基本とされています。締切の近いものから順に終わらせていくと、結果として全部が終わりやすくなる、という考え方です。
自分でできる工夫と、人と一緒にやる工夫に分けると、こう見えます。
| 自分でできる工夫 | 人と一緒にやる工夫 | |
|---|---|---|
| 締切 | 締切の前に、自分用の締切を1つ置く | 上司に「途中の締切」を区切ってもらう |
| 順番 | ふせんの色を優先順位ごとに変える | 迷ったら順番を聞く |
| 進み具合 | 当日の予定を紙に書いて、見える場所におく | 朝と終わりに進み具合を一言で報告する |
| 完成形 | 前に作ったものを見本にする | 完成形のサンプルをもらう |
ふせんの色分けや、予定を紙に書いて見える場所におく方法は、国の資料のヒント集にものっています。
締切を人と共有すると、ひとりで抱えているときより、動きだしやすくなる方もいます。「見張られる」のではなく、「いっしょに見てもらう」形です。
忘れ物や持ち物の置き場所の工夫は、別のコラムでまとめています。
関連記事: 忘れ物・なくし物が多いとき|職場でできる工夫と配慮の頼み方(横浜市都筑区)
職場に頼める形は、国の事例集に載っています
締切の区切りや進み具合の確認は、職場に配慮としてたのめる場合があります。厚生労働省の「合理的配慮指針事例集」には、実際の会社の例があつめられています。
事例集には、「午前中は〜の仕事」「終わらなくても午後は〜の仕事」と時間を区切って指示する例や、「Aが終わったら次はB」と仕事の区切りで指示する例がのっています。
朝礼で当日の仕事の中身を確かめ、終礼で進み具合と翌日の予定を確かめる例や、次にやる仕事といつまでに終わらせるかを毎回伝える例もあります。
時間や区切りで指示をもらう形は、会社の規模や業種を問わず多くの事例があった、と事例集に書かれています。
配慮は、会社にしてもらうものでもあり、自分から頼むものでもあります。頼み方は、「困りごと・自分の工夫・お願い」の順で、短く伝えれば足ります。
「取りかかるまでに時間がかかります。自分用の締切を置いていますが、途中の締切を一緒に決めていただけると助かります」のような形です。
関連記事: 職場の合理的配慮とは|頼み方の例と会社との決め方(横浜市都筑区)
自分に合う始め方は、試してみないと分かりません。就労移行支援では、パソコンの課題などを使って、「机に出す」「5分だけ」「途中の締切」を実際に試しながら、合う形を見つけていけます。
見つかった形は、面接や職場でつたえる言葉にもなります。仕事を選ぶときの考え方は、別のコラムでまとめています。
関連記事: ADHDと向いている仕事|特性から考える仕事の選び方(横浜市都筑区)
よくある質問
診断の有無にかかわらず、始め方の工夫は使えます。就労移行支援は、診断がない場合も主治医の意見書などで使える場合があります。決めるのは市区町村です。
始まったあとに続けやすいか、5分で切るほうが楽かは、ひとりひとりちがいます。試して、合うほうを残せば大丈夫です。
できる範囲は会社によってちがうため、話し合いで決める形になります。就労移行支援では、つたえる言葉をいっしょに用意できます。
暮らしの困りごとが大きいときは、ひとりで整えなくて大丈夫です。就労移行支援では、生活リズムの整え方も、いっしょに考えます。
合った形は、応募のときに伝える配慮事項の言葉にもなります。
いつでもご相談お待ちしています
取りかかれない理由は、ひとつではありません。
一歩目の大きさと、締切の見え方を変えるところから、いっしょに考えられます。
自分はどの理由で止まりやすいのか、一歩目はどこまで小さくすればいいのか?
など、気になることは見学のときに一緒に確かめられます。ブルーライン・グリーンライン「センター南駅」すぐですので、気軽にお越しください。
※今回の内容は、2026年9月時点の制度にもとづいています。
参考: 障害者職業総合センター 実践報告書No.39「発達障害者のワークシステム・サポートプログラム 在職中又は休職中の発達障害者に対する作業管理支援」
参考: 厚生労働省「合理的配慮指針事例集【第六版】」(PDF)
参考: 発達障害ナビポータル「注意欠如多動症(ADHD)について」

福祉の現場で7年、働くことを目指す方の支援に携わってきました。ステップキャリアではサービス管理責任者として、お一人ずつの体調やペースをうかがいながら個別支援計画をつくり、次の一歩を一緒に決めていくことがやりがいです。神奈川県・横須賀出身です。
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