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制度・お金

精神障害者保健福祉手帳のメリットとデメリット|取るか迷うときの整理(横浜市都筑区)

こんにちは、ステップキャリアです。
横浜市の都筑区で就労移行の事業所を運営しています。

今回の記事では「精神障害者保健福祉手帳のメリットとデメリット」について解説しますね。

手帳を取ろうか、迷っています。メリットがあるとは聞きますが、デメリットもあるんじゃないかと不安で…。
手帳は、持っていても自分から見せないかぎり伝わりませんよ〜。税の控除や横浜市の福祉パスのように使える仕組みがあって、いらなくなれば返すこともできます(^^)
取ったら、もう戻れないというわけではないんですね。

主治医や家族から「手帳を取ってみては」と言われた。調べてみると「メリット」と「デメリット」の両方が出てきて、どちらを信じればいいのか分からなくなった——という方に向けた記事です。

取るか取らないかで止まってしまっても、あせって決めなくて大丈夫です。

先に、いちばん大事なことをお伝えします。手帳は、持っていても自分から見せないかぎり伝わらず、使うかどうかを一つずつ自分で選べる道具です。

今回のコラムでは、メリットを3つに分けた整理、「デメリット」と言われることの実際の仕組み、税の控除の金額と横浜市の制度、取らない選択もふくめた考え方をまとめました。

メリットは、お金・移動・働き方の3つに分けられます

手帳で使える仕組みは、たくさんの名前がならんでいて、読むだけで疲れてしまいます。使う場面ごとに見ていくと、見通しがつきやすくなります。

手帳のメリットを、お金の面(所得税と市民税・県民税の障害者控除)、移動の面(横浜市の福祉パス・鉄道の運賃割引・タクシーの割引)、働き方の面(障害者雇用の求人に応募できる)の3枚のカードに分けて並べた図

お金の面は、税の控除です。所得税の「障害者控除」では、27万円、1級の方は「特別障害者」として40万円が、税金を計算するもとの所得から差し引かれます(国税庁の案内)。

市民税・県民税にも障害者控除があり、横浜市では26万円、特別障害者は30万円です。前の年の合計所得が一定の額より少ない方は、市民税・県民税じたいがかからない決まりもあります。

所得税の控除 市民税・県民税の控除(横浜市)
2級・3級(障害者) 27万円 26万円
1級(特別障害者) 40万円 30万円

控除は「税金が27万円もどる」という意味ではありません。実際にどれだけ軽くなるかは、収入によって変わります。

移動の面では、横浜市の「福祉パス」があります。市内のバスとブルーライン・グリーンラインに、1年1,200円の負担で乗れる券で、精神の手帳は3級までがあてはまります。

関連記事: 横浜市の福祉パスとは|手帳で使える電車・バスの仕組み(横浜市都筑区)

2025年4月からは、鉄道の運賃の割引も精神の手帳で受けられるようになりました(中身は会社ごとにちがいます)。横浜市の案内では、タクシー料金の1割引き、NHKの受信料が免除になる場合、水道料金が安くなる場合なども、手帳で受けられるサービスとしてならんでいます(条件は仕組みごとに決まっています)。

働き方の面では、障害者雇用の求人に応募できるようになります。配慮をはじめから頼める形で働くか、手帳を持ったまま一般の求人で働くかは、あとから決められます。

関連記事: 障害者雇用と一般雇用のちがい|どちらで働くかの考え方(横浜市都筑区)

「会社に知られる」は、自分から見せないかぎり起きません

デメリットとしてよく見かけるのが、「取ったら会社に知られるのでは」という不安です。

手帳を取ったことが、区役所から勤め先にひとりでに伝わる仕組みはありません。伝わるとしたら、自分から見せたときです。

会社に知られるかどうかの分かれ道。自分から見せない道では、手帳を持っていても勤め先には伝わらず、税の控除は自分で確定申告をして受ける。自分から見せる道では、会社の年末調整で控除を頼む、職場に配慮を頼む、といった形で伝わる、という2つの道を示した図

たとえば、税の控除を会社の年末調整で受けるときは、会社に出す紙に障害者控除のことを書く形になります。

控除を会社に頼まず、自分で確定申告をして受ける道もあります。会社に伝えるかどうかと、控除を使うかどうかは、切りはなして決められます。

職場にどこまで伝えるかも、手帳とは別に決められます。伝える形(オープン)と伝えない形(クローズ)のちがいは、別のコラムでまとめています。

関連記事: オープン就労とクローズ就労のちがい|自分に合う選び方(横浜市都筑区)

デメリットと言われることを、表で確かめます

会社のことのほかにも、「デメリット」として書かれていることがいくつかあります。実際の仕組みとならべてみます。

デメリットと言われること 実際の仕組み
会社や周りに知られる ひとりでに伝わる仕組みはなく、見せるかどうかは自分で決める
更新の手間がかかる 使える期間は2年。更新は期限の3か月前から申しこめる
等級を自分で選べない 等級は診断書をもとに審査で決まる。1級〜3級で使える範囲が変わる
一度取ったら戻れない いらなくなれば返せる。取ったことで何かをしばられる決まりはない
診断書のお金がかかる 手帳用の診断書は主治医に書いてもらう。費用は病院ごとにちがう

デメリットと言われることのチェックリスト。周りに知られる不安は自分から見せないかぎり伝わらないこと、更新は2年ごとで期限の3か月前から申しこめること、等級は審査で決まり3級でも使える仕組みがあること、いらなくなれば返せること、の4つを確かめられるように並べた図

更新のときも、診断書がもういちどいります。期限までに更新を申しこめば手帳の期間は途切れないと、横浜市は案内しています。

新しい手帳が届くまで2か月ほどかかるため、3か月前になったら早めの申しこみがすすめられています。

等級は、審査で決まります。思っていた等級とちがうことはありますが、3級でも、福祉パスや税の控除のように使える仕組みはあります。

「取ったら障害者として固定される気がする」という不安も、よく見かけます。手帳は、いらなくなったら返す形もあり、持ちつづけなければいけない決まりはありません。

手帳の申しこみの流れは、別のコラムでまとめています。

関連記事: 精神障害者保健福祉手帳とは|申請の流れとできること(横浜市都筑区)

取らない選択もあります。迷ったときの考え方

ここまで読んで「やっぱり今は取りたくない」と感じるなら、取らないままで大丈夫です。手帳は、必要になったときに申しこめます。

就労移行支援は、手帳がなくても、主治医の意見書などで使える場合があります。決めるのは市区町村ですので、「手帳を取ってから相談」と順番を決めなくてかまいません。

迷ったときの考え方の流れ。いま使いたい仕組みがあるかを考える、あるなら主治医に手帳の話を聞いてみる、区役所の窓口か郵送で申しこむ、交付までは2か月ほど待つ、という4つのステップと、使いたい仕組みがまだないなら取らないままで、必要になったときに申しこむ、という道を示した図

迷ったときは、「いま使いたい仕組みがあるか」から考えると整理しやすくなります。福祉パスで通う交通費を軽くしたい、障害者雇用の求人に応募したい、といった目的があるなら、取る意味がはっきりします。

いま使いたい仕組みが思いつかないなら、急いで取る理由はありません。主治医に「手帳を考えているのですが、私の場合はどうでしょうか」と聞く形で、持ち帰って考えられます。

取ると決めたら、申しこみは都筑区役所(茅ケ崎中央32-1)2階の高齢・障害支援課です。横浜市では郵送でも申しこめて、手帳が手もとに届くまでは2か月ほどです。

手帳と、就労移行支援を使うための受給者証は、別の書類です。2つのちがいは、別のコラムでまとめています。

関連記事: 障害福祉サービス受給者証とは|手帳とのちがいと使い方(横浜市都筑区)

よくある質問

Q
手帳を取ると、就職に不利になりますか?
A
手帳を持っていることが、応募先にひとりでに伝わることはありません。一般の求人に応募するときに、手帳のことを書く決まりもありません。
障害者雇用の求人に応募するときは、手帳を持っていることが土台になり、配慮を頼みやすくなります。
Q
3級でも、メリットはありますか?
A
あります。所得税の障害者控除(27万円)や市民税・県民税の控除は、2級・3級の方があてはまります。
横浜市の福祉パスも、精神の手帳は1級から3級まであてはまります。
Q
更新を忘れそうで心配です。どうなりますか?
A
更新は、期限の3か月前から申しこめます。期限までに申しこんでいれば、手帳の期間は途切れないと横浜市は案内しています。
期限がすぎてから気づいたときも、あらためて申しこむ形があり、区役所の窓口で手続きを確かめられます。通っている方は、事業所でも期限をいっしょに見ておけます。
Q
障害年金をもらっていると、手帳の申しこみは変わりますか?
A
手帳と障害年金は別の制度ですが、横浜市では、精神の障害で年金を受けている方は、診断書のかわりに年金証書の写しで申しこめる形があります。
あてはまるかどうかは、区役所の窓口で確かめられます。
Q
ステップキャリアで、手帳を取るかどうかも相談できますか?
A
相談できます。取るかどうかを決めるのはご本人で、医療にかかわることは主治医との相談になりますが、使える仕組みの整理や、区役所の窓口の場所は、見学のときにいっしょに確かめられます。
手帳がない段階で、就労移行支援の相談に来ていただく形でも大丈夫です。

いつでもご相談お待ちしています

手帳を取るか、取らないか。
今日決めなくても、大丈夫です。

自分の場合、手帳で使える仕組みには何があるのか?

など、気になることは見学のときに一緒に確かめられます。ブルーライン・グリーンライン「センター南駅」すぐですので、気軽にお越しください。


※今回の内容は、2026年9月時点の制度にもとづいています。

参考: 国税庁「No.1160 障害者控除」

参考: 横浜市「所得控除(令和8年度課税以降)」

参考: 横浜市「精神障害者保健福祉手帳で受けられるサービス」

参考: 横浜市「精神障害者保健福祉手帳の交付」

この記事の監修者
サービス管理責任者 高木
高木
サービス管理責任者
福祉歴7年

福祉の現場で7年、働くことを目指す方の支援に携わってきました。ステップキャリアではサービス管理責任者として、お一人ずつの体調やペースをうかがいながら個別支援計画をつくり、次の一歩を一緒に決めていくことがやりがいです。神奈川県・横須賀出身です。

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