双極性障害と働き方|気分の波とつきあう仕事の選び方(横浜市都筑区)

こんにちは、ステップキャリアです。
横浜市の都筑区で就労移行の事業所を運営しています。
今回の記事では「双極性障害と働き方」について解説しますね。



気分が上がる時期と、下がる時期。波をくり返す中で「働くのは無理なのでは」と感じている方に向けた記事です。
上がっている時期に決めた予定が、下がった時期に重くのしかかる。波のある方から、よく聞くお話です。
先に、いちばん大事なことをお伝えします。波とつきあいながら働く形は、働く時間・場所・配慮の頼み方の組み合わせで、いくつも用意されています。
今回のコラムでは、波のサインの見つけ方、調子がよい時期の工夫、勤務の形の選び方、配慮の頼み方をまとめました。
気分の波は、自分では気づきにくいといわれています
双極性障害は、気分が高まって動きたくなる時期と、しずんで力が出ない時期をくり返すといわれています(こころの情報サイト・国立精神・神経医療研究センター)。
国内では1,000人に4〜7人弱にみられるとされていて(こころの情報サイト・2026年8月閲覧)、めずらしい病気ではありません。
上がっている時期は気分がよいので、本人は「調子がよいだけ」と感じやすく、自分では気づきにくいといわれています。だからこそ、サインを先に知っておくことに意味があります。
上向きのサインの例として、ねむる時間が短くても平気になる、予定やアイデアが次々に増える、といったことがあげられています。
下向きのサインの例として、朝起きるのがつらい、返事や連絡がおっくうになる、といった変わり方があります。
どれがご自身のサインにあたるかは、人によってちがい、主治医と一緒に確かめられます。ひとりで見きわめなくて大丈夫です。
休みが続いてしまう時期の考え方は、別のコラムでまとめています。
関連記事: 体調の波と出勤|休みがちな自分を責めない働き方(横浜市都筑区)
調子がよい時期こそ、予定を詰めすぎない工夫があります
上向きの時期は、何でもできる気がして、予定や仕事を増やしたくなります。増やした分は、下がった時期の自分が受け取ることになります。
だから、工夫の軸は「下がったときの自分に、無理をさせない予定の組み方」です。
1つめは、週の予定に「何もない枠」を先に入れておくこと。あいた時間ではなく、決めた休みにしておくと、埋まりにくくなります。
2つめは、新しいことを始めるのは一度に1つまでにすること。「もう1つやりたい」と思ったら、翌週にまわすくらいで十分です。
3つめは、起きる時間と寝る時間を、大きく動かさないこと。睡眠の長さは、波を見るめやすのひとつになります。
4つめは、「いま、調子がよい気がする」と感じたら、家族や支援員に一言伝えること。まわりの目が、ブレーキがわりになります。
4つとも、完ぺきにやる決まりではありません。できそうなものを1つ選ぶところからで、かまいません。
勤務の形は、波に合わせて選べます
「フルタイムで毎日」だけが、働く形ではありません。波のある方が選びやすい形を、表にしました。
| 勤務の形 | 中身 | こんなときに |
|---|---|---|
| 短い時間から | 週の日数や1日の時間を少なめに始める | 下がった時期の負担を軽くしたいとき |
| 障害者雇用 | 障害を伝えて、配慮を相談しながら働く | 通院や休みの相談をしやすくしたいとき |
| 在宅 | 家で進められる仕事を選ぶ | 通勤の負担を減らしたいとき |
| 準備してから | 就労移行支援で生活リズムと伝え方を整えてから応募する | 波のサインの整理から始めたいとき |
短い時間から始める形は、上向きの時期の自分ではなく、おだやかな時期の自分をものさしにして選ぶと、あとで苦しくなりにくくなります。
4つの形は、組み合わせて選ぶこともできます。
障害者雇用で働くには、精神障害者保健福祉手帳が入り口になります。手帳の申請の流れは、別のコラムでまとめています。
関連記事: 精神障害者保健福祉手帳とは|申請の流れとできること(横浜市都筑区)
働く時間を短くすると、お金の面が気になります。障害年金という国の仕組みを、通いながら手続きする段取りもまとめています。
関連記事: 障害年金と就労移行支援|通いながらの手続きの段取り(横浜市都筑区)
いま働いている方は、辞めるか続けるかの2つだけではなく、休む・まわりを整えるという道もあります。
関連記事: 適応障害と診断されたら|無理なく働きつづける方法(横浜市都筑区)
配慮の頼み方は、国の指針に例があります
障害を伝えて働く場合、会社には、働きやすくする工夫を一緒に考える決まりがあります(合理的配慮)。
通院や体調に合わせた出退勤・休みの配慮や、本人の様子を見ながら仕事の量を変えることは、国の指針に例として載っています(厚生労働省「合理的配慮指針」平成27年告示・精神障害の採用後の例)。
ほかにも、静かな場所で休めるようにすること、相談できる担当の人を決めること、指示を1つずつ出すことが、同じ指針に並んでいます。
「わがままな頼みごとなのでは」と迷う内容の多くは、国が例としてあげている配慮の中に入っています。
頼み方は、4つの順番で考えられます。
1つめは、波のサインと、下がった時期に困ることをメモにすること。
2つめは、頼みたい配慮を1つか2つにしぼること。「休みの連絡は当日の朝でも受けてもらえるとありがたい」のような、短い形で十分です。
3つめは、面接や入社のときに伝えること。就労支援機関の職員が面接に一緒に入る形も、同じ指針に例として載っています。
4つめは、働きはじめてから、配慮の中身を見直すこと。最初に決めた形を、ずっと守り続ける決まりはありません。
どこまで伝えるかは「すべてを伝える」か「何も言わない」かの2つだけではなく、頼みたい配慮に関わる部分だけ伝える形もあります。
就労移行支援で、波を見ながら準備できます
就労移行支援は、一般企業で働くことを目指して、働く準備を進める場所です。通う日数は少なめから始められ、通いながら波の様子をメモに残していけます。
波のサインの整理も、配慮の伝え方の練習も、就労移行支援で支援員と一緒に進められます。
体調のことは主治医と、働く準備のことは支援員と。相手を分けて、ひとりで抱えない形をつくれます。
関連記事: 就労移行支援とは?対象・費用・利用までの流れをやさしく解説
よくある質問
おだやかな時期の自分を基準にして、短い時間から始めて、あとから増やしていく形もあります。主治医の考えもあわせて、一緒に考えられます。
配慮を頼みたい場合は、病名をぜんぶ話さなくても「朝の連絡」「休み方」のように、頼みたい配慮に関わる部分だけ伝える形もあります。
先に決めておくと、休む日に「どう連絡すれば」と迷う負担が減ります。
休職中に利用できるかどうかは、お住まいの市区町村の判断になりますので、ようすをうかがいながら一緒に確かめられます。
手帳を取るかどうかも、あとから考える形で大丈夫です。
いつでもご相談お待ちしています
気分の波があるままで、相談していただけます。
調子のよい日でも、下がっている日でも、話す中身は同じで大丈夫です。
波があっても働けるのか、どの勤務の形から考えればいいのか?
など、気になることは見学のときに一緒に確かめられます。ブルーライン・グリーンライン「センター南駅」すぐですので、気軽にお越しください。
※今回の内容は、2026年8月時点の制度にもとづいています。
参考: こころの情報サイト「双極性障害(躁うつ病)」(国立精神・神経医療研究センター)
参考: 厚生労働省「合理的配慮指針」(平成27年厚生労働省告示第117号)

福祉の現場で7年、働くことを目指す方の支援に携わってきました。ステップキャリアではサービス管理責任者として、お一人ずつの体調やペースをうかがいながら個別支援計画をつくり、次の一歩を一緒に決めていくことがやりがいです。神奈川県・横須賀出身です。
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