電話対応が苦手なとき|配慮の頼み方と練習の進め方(横浜市都筑区)

こんにちは、ステップキャリアです。
横浜市の都筑区で就労移行の事業所を運営しています。
今回の記事では「電話対応が苦手なとき」について解説しますね。



電話が鳴るたびに体がかたくなる。取り次ぎで名前を聞きもらして、あとで注意された。電話のせいで、事務の仕事に手を伸ばせずにいる——という方に向けた記事です。
電話は、相手の顔が見えないまま、聞く・書きとめる・答えるを同時に進める仕事です。
先に、いちばん大事なことをお伝えします。電話の仕事は「全部できる」か「あきらめる」かの2つだけではなく、電話を仕事から外す・ほかの人が助けに入る、といった配慮で働いている例が、国の事例集に載っています。
今回のコラムでは、苦手の中身の分け方、職場に頼める形、頼むときのひとこと、就労移行支援での練習の進み方をまとめました。
苦手の中身は、3つに分けられます
電話の苦手は、ひとまとめに「電話がだめ」と言われがちです。中身を分けてみると、頼み方も、練習のしかたも、はっきりしてきます。
1つめは、聞き取りです。相手の名前や社名が一度で聞き取れない、メモを書いているあいだに次の言葉を聞きもらす、という形です。
2つめは、とっさの言葉です。聞かれたことに返す言葉が、すぐに出てこない形です。頭の中では分かっているのに、口が動かないこともあります。
3つめは、失敗への不安です。一度こわい思いをすると、鳴った音だけで体がかたくなることがあります。出る前から、うまくいかない場面が先に浮かんでしまう形です。
3つのうちどれが強いかは人によってちがい、いくつか重なる方もいます。分けきれなくても、「電話のどのあたりがつらいか」を思い浮かべるだけで、あとの頼み方に役立ちます。
聞き取れなかったときの聞き返し方の工夫は、電話にもつながります。あいまいな指示に困るときの工夫は、別のコラムでまとめています。
関連記事: ASDと職場のやりとり|あいまいな指示に困るときの工夫(横浜市都筑区)
職場に頼める形は、「出ない」だけではありません
厚生労働省が、全国のハローワークなどを通じて会社の取り組みを集めた「合理的配慮指針事例集【第六版】」には、電話にかかわる配慮の例がいくつも載っています。
精神障害のある方の採用後の例として、苦手なことに配慮して仕事を分ける形(電話応対を免除する、など)は、会社の規模や業種、仕事の種類を問わず多くの事例があった、と書かれています。
発達障害の例では、音に過敏な方のために机の電話を外した会社や、吃音のある方について電話対応を無しにして、仕事の指示を筆談にした病院の事務の例が載っています。
事例集には、「どの会社も必ず同じ形にする決まりではない」という意味の説明も書かれています。決めるのは会社との話し合いですので、載っている形を、頼むときの材料にできます。
頼める形を、苦手の中身とあわせて表にすると、こう見えます。
| 頼める形 | 中身 | 合いやすい苦手 |
|---|---|---|
| 電話を仕事から外す | 出ない・かけない。連絡はメールやチャットで受ける | 鳴った音だけで体がかたくなる |
| 取り次ぎだけにする | 出て、相手の名前と用件を聞き、担当の人につなぐ | 決まった型なら話せる |
| 出る時間や相手を決める | 決まった相手からの折り返しだけ受ける。午前だけ出る、など | 準備があれば話せる |
| 道具で軽くする | メモの型、ヘッドセット、音を文字にする道具 | 聞き取りや書きとめが追いつかない |
ヘッドセットや音を文字にする道具は、事例集の聞こえや手の障害の項に載っている例です。
求人票に、最初から「電話対応なし」と書かれた事務の仕事もあります。求人票で見るところは、別のコラムでまとめています。
関連記事: 障害者雇用の事務職とは|仕事の中身と目指し方(横浜市都筑区)
配慮の相談をしたことを理由に不利にあつかってはならない、と会社が決めておくことも、指針で求められています。合理的配慮の仕組みの全体は、別のコラムでまとめています。
関連記事: 職場の合理的配慮とは|頼み方の例と会社との決め方(横浜市都筑区)
電話のことを応募の書類に書くときの例文は、別のコラムにまとめています。
関連記事: 配慮事項の書き方|症状・特性別の例文(横浜市都筑区)
頼み方は、困っていることを伝えるだけで足ります
「電話を外してください」と、自分から言い出すのはむずかしいものです。
厚生労働省の「合理的配慮指針」では、会社は雇い入れまでに、職場で支障になっている事情がないかを本人に確かめることになっています。自分から申し出ることも、できます。
希望する配慮を具体的に言えないときは、困っている事情を明らかにするだけで足りる、と指針に書かれています。「電話が鳴ると体がかたくなります」で、話し合いは始まります。
面接のときは、苦手なことと、できることを1つずつ伝える形です。「名前を一度で聞き取れないことがあります。メモの型があれば、取り次ぎはできます」のように、短くて足ります。
入社の前後で会社から聞かれたときは、いまの困りごとと、最初にしてほしいことを伝えます。「電話が鳴ると体がかたくなります。最初はメールを中心にしていただけると助かります」で伝わります。
働きはじめてからは、変わったところを短く伝えます。「取り次ぎは慣れてきました。折り返しをかけるのは、まだむずかしいです」のように、できた範囲と、まだの範囲を分ける形です。
就労移行支援では、台本を持って練習できます
練習の目的は、「全部できるようになる」ことではありません。どこまでならできて、どこから配慮を頼むかを、自分で知ることです。
1段めは、台本とメモの型づくりです。社名・名前・用件・折り返し先の4つを書く欄を先に決めておくと、聞くことが4つにしぼられます。
2段めは、スタッフを相手にした受ける練習です。台本を見ながらで大丈夫です。「もう一度お名前をうかがえますか」のような、聞き返す言葉も一緒に練習します。
3段めは、かける練習です。事業所への欠席や遅れの連絡を、電話でしてみるところから始める形があります。用件が決まっている電話は、練習の入口にしやすい形です。
4段めは、できた範囲を配慮の言葉にすることです。「取り次ぎはできる。かけるのはまだ」のように整理したものが、面接や入社のときに伝える材料になります。
面接の受け答えを、スタッフを相手にくり返す模擬面接と、進み方は同じです。
関連記事: 模擬面接とは|就労移行支援での練習の進み方(横浜市都筑区)
段階を上がる速さは、人によってちがいます。通勤の不安を少しずつ慣らす考え方と同じです。
関連記事: 不安が強くて通勤がつらいとき|電車と職場への行き方の工夫(横浜市都筑区)
電話を外してもらう道を選ぶ準備として、伝え方だけを練習する形もあります。
よくある質問
希望する配慮の形を具体的に言えなくても、困っている事情を伝えれば足りる決まりです。
「メモの型があれば取り次ぎはできます」のように、できる形をあわせて伝えると、話し合いが進みやすくなります。
できる範囲を先に伝えると、会社も形を考えやすくなります。
台本づくりだけで終える形もあります。
見学の予約は、LINEやホームページのフォームの文字だけでも進められます。電話が苦手な段階のままで大丈夫です。
いつでもご相談お待ちしています
電話が苦手なままで、かまいません。
どこまでならできて、どこから頼むかを、少しずつ決めていく形で大丈夫です。
電話のない事務の仕事はあるのか、練習はどこから始まるのか?
など、気になることは見学のときに一緒に確かめられます。ブルーライン・グリーンライン「センター南駅」すぐですので、気軽にお越しください。
※今回の内容は、2026年9月時点の制度にもとづいています。
参考: 厚生労働省「合理的配慮指針事例集【第六版】」(PDF)
参考: 厚生労働省「合理的配慮指針」(平成27年厚生労働省告示第117号・PDF)
参考: 厚生労働省「雇用の分野における障害者への差別禁止・合理的配慮の提供義務」

福祉の現場で7年、働くことを目指す方の支援に携わってきました。ステップキャリアではサービス管理責任者として、お一人ずつの体調やペースをうかがいながら個別支援計画をつくり、次の一歩を一緒に決めていくことがやりがいです。神奈川県・横須賀出身です。
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