職場にどこまで伝える?|病気や通院を話す範囲の決め方(横浜市都筑区)

こんにちは、ステップキャリアです。
横浜市の都筑区で就労移行の事業所を運営しています。
今回の記事では「職場にどこまで伝えるか」について解説しますね。



障害者雇用で働くと決めた。でも、病気や通院のことを職場にどこまで話せばいいのか分からない——という方に向けた記事です。
障害のことを伝えて働く「オープン就労」を選ぶと、ぜんぶ打ち明けないといけない気がして気が重くなる、という声をよく聞きます。
先に、いちばん大事なことをお伝えします。
伝えるのは、配慮に必要なことだけで足ります。病名や細かい経緯まで、ぜんぶ話す決まりはありません。
今回のコラムでは、伝える範囲の3つの段階、誰に伝えるか、会社の側にある情報の扱いの決まり、決め方の手順をまとめました。
伝える範囲は、3つに分けて考えられます
「どこまで」を決めるときは、伝える中身を3つに分けると整理しやすくなります。
| 段階 | 中身の例 |
|---|---|
| 配慮に必要なこと | 通院の曜日と回数、体調をくずしやすい場面、あると助かる配慮 |
| 聞かれたら答えること | 診断名、体調をくずしたときの合図、緊急のときの連絡先 |
| 伝えなくていいこと | 病気になったきっかけ、家族のこと、病院でのくわしい話、前の職場でのできごと |
1つめは、配慮に必要なこと。「月に1回、平日の午後に通院がある」「人の多い場所でつかれやすい」のように、仕事にかかわる部分です。
会社は、伝えられた困りごとをもとに、働きやすくする工夫(合理的配慮)を一緒に考える決まりになっています。
2つめは、聞かれたら答えること。診断名や、体調をくずしたときの合図など、聞かれたときに短く答えられる形にしておく中身です。
自分から言い出さなくても大丈夫で、答え方を先に用意しておくだけで足ります。
3つめは、伝えなくていいこと。病気になったきっかけや、家族のこと、病院でのくわしい話は、仕事の配慮とはつながりがありません。
国の合理的配慮指針には、希望する配慮を具体的に言うのがむずかしいときは「支障となっている事情を明らかにすることで足りる」と書かれています。病名を言わなくても、困りごとを伝えれば配慮の話し合いは始められます。
配慮の頼み方の例文と、会社との決まり方は、別のコラムでまとめています。
関連記事: 職場の合理的配慮とは|頼み方の例と会社との決め方(横浜市都筑区)
誰に伝えるかも、相手ごとに選べます
「職場に伝える」といっても、相手はひとりではありません。人事の担当者、直属の上司、いっしょに働く同僚では、伝える範囲を変えられます。
人事の担当者と直属の上司は、配慮を決める相手です。通院の曜日や、あると助かる配慮が伝わっていると、働きはじめてからの相談がしやすくなります。
同僚には、上司と相談して決めた範囲だけが伝わる形が基本です。国の指針にも「本人のプライバシーに配慮した上で、他の労働者に対し、障害の内容や必要な配慮等を説明すること」という例があげられています。
たとえば、同僚には「月に1回、午後に外出がある」とだけ伝わっていて、病名は上司までにとどめる、という形もとれます。
配慮を決める相手に伝わっていれば、オープン就労の形は成り立っています。
伝えるか伝えないかの選び方は、別のコラムでまとめています。
関連記事: オープン就労とクローズ就労のちがい|自分に合う選び方(横浜市都筑区)
会社の側にも、情報の扱いの決まりがあります
「話したことが、どこまで広まるのか」が、伝える前のいちばんの心配です。会社の側には、障害の情報を扱うときに守る決まりがあります。
厚生労働省の「プライバシーに配慮した障害者の把握・確認ガイドライン」が、会社に向けて決まりを示しています。
1つめは、会社が障害の情報を集めるときは、何に使うのかを示して、本人の同意を得ること。障害者雇用の人数を国に報告する、といった目的を先に伝える決まりです。
2つめは、情報を扱う人を必要最小限にすること。手帳などの確認は、人事の担当者が本人に直接行う形が望ましいとされ、ほかの個人情報とは別に保管することが望まれています。
3つめは、本人の同意なしに、集めた目的をこえて情報を使わないこと。健康診断で会社が知った情報も、本人の同意がないかぎり配慮のために使うことはできない、と厚生労働省のQ&Aに書かれています。
産業医など、健康の情報を扱う人が、本人の同意なしに人事の担当者へ障害の情報を伝えることも、してはならない決まりです。
4つめは、申告を断っても不利な扱いをしないこと。会社から「障害のある方は申し出を」という呼びかけがあっても、答えるかどうかは本人が決められ、断ったことを理由に解雇などの不利な扱いをしてはならないとされています。
会社が個人を名指しして障害のことをたずねることも、正当な理由がないかぎりできません。
決め方は、書き出すところからで大丈夫です
「どこまで」を決めるのは、就職の前でも、働きはじめてからでもかまいません。手順は、書き出すところからです。
1つめは、困りごとを書き出すこと。通院の曜日、つかれやすい場面、体調をくずしたときの様子など、思いつくままで十分です。
2つめは、書き出したものを3つの段階に分けること。「配慮に必要」「聞かれたら答える」「伝えなくていい」の3つに、ふり分けていきます。
3つめは、伝える相手を決めること。人事・上司・同僚の、誰にどこまで伝わっていると安心かを考えます。
4つめは、言い方を用意すること。診断名を聞かれたときの答え方は、一文で用意しておくと落ち着いて答えられます。
「診断名は◯◯です。月に1回、平日の午後に通院があります」のような形です。
5つめは、働きはじめてから見直すこと。体調や職場の様子は変わるので、伝える範囲もあとから広げたり、しぼったりできます。
厚生労働省のQ&Aでも、採用のときに障害のことを明らかにしていなかった人が、働きはじめてから配慮を求めることは妨げられない、とされています。
書き出したものは、1冊にまとめておくと、面接でも配慮の話し合いでも使えます。
関連記事: ナビゲーションブックとは|自分の取扱説明書の作り方(横浜市都筑区)
体調の面で「どこまで話して大丈夫か」に迷うときは、主治医に聞いておく形もあります。
関連記事: 主治医への相談のしかた|就労移行支援を使いたいとき(横浜市都筑区)
伝える範囲の整理も、言い方の練習も、就労移行支援では支援員と一緒に進められます。面接のときに就労支援機関の職員が同席する形も、国の指針の例にあげられています。
よくある質問
障害者雇用の求人では、応募のときに手帳の確認があることが多いです。手帳の確認と、職場でどこまで話すかは、別に考えられます。
病気になったきっかけや、細かい経緯まで話す決まりはありません。
「通院で月に1回、午後に外出がある」とだけ伝わっている形もとれます。
自分から会社の相談窓口に伝える形もあり、相談したことを理由にした不利な扱いは禁止されています。
メモがまとまっていない段階の相談でも、かまいません。
いつでもご相談お待ちしています
職場に伝える範囲は、就職の前に決めきらなくて大丈夫です。
書き出したメモの段階のまま、話していただけます。
自分の困りごとはどこまで伝えるものなのか、面接で聞かれたら何と答えればいいのか?
など、気になることは見学のときに一緒に確かめられます。ブルーライン・グリーンライン「センター南駅」すぐですので、気軽にお越しください。
※今回の内容は、2026年8月時点の制度にもとづいています。
参考: 厚生労働省「プライバシーに配慮した障害者の把握・確認ガイドライン」(PDF)
参考: 厚生労働省「障害者雇用促進法に基づく障害者差別禁止・合理的配慮に関するQ&A」(PDF)

福祉の現場で7年、働くことを目指す方の支援に携わってきました。ステップキャリアではサービス管理責任者として、お一人ずつの体調やペースをうかがいながら個別支援計画をつくり、次の一歩を一緒に決めていくことがやりがいです。神奈川県・横須賀出身です。
見学・ご相談はこちら→